そんな酷な事は、言わないからさ。３ ページ9
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�狃�として��
そんな言葉が耳に入ってきた途端、何故か身体が一瞬ぴくりと跳ねた。別に、嫌なわけじゃないけど。
寧ろ、この2人からそう言って貰えるのは嬉しい事だけど。
でも、その告白が意味するものは。
｢…何で、そんな事言うの｣
気付いてなかった。
なんてのは、多分嘘で。
ずっと前から知ってた。
この2人が、そういう想いを私に寄せていることくらい。
でも、それに気付かないフリをしていた。
気付いていることにすら、気付かないフリをしていた。
自分で、自分を騙してた。
そうしないと、3人で居られなくなるから。
どっちか選んだら、どっちかとは一緒に居られないから。
…だから、一生、聞きたくなかった。
｢あっ、ちょっ、Aちゃんっ違うのっ。
泣かないでっ｣
ポロポロと私の目から流れ落ちてく塩水を見て、徹が慌てて私に近付き。頬の涙を人差し指で拭ってくれる。
｢A、勘違いすんな｣
｢…どういう事？｣
徹に次いで、コッチに歩み寄ってきたはじめ。
そんな彼を泣きながら見つめれば、彼は愛おしそうに私を見つめていた。
その目も、どうしようもなく好きで。
離したくない。
｢俺ら2人と、付き合ってよ｣
徹が、優しい声でそう言った。
時が、止まった。
｢…何、それ｣
｢及川が、言ったんだよ｣
はじめは目を伏せて、そう呟く。
｢俺はな、及川がお前に気持ちを伝えるって言ったら。身を引くつもりだった。
それくらい、お前と及川の事が大事で、大切だから。
勿論、及川の事は友達として、だけどな｣
気付けば、私の目から涙は止まっていて。
いつの間にか、徹に頭を撫でられていた。
｢でもな、及川が『2人でAと付き合えばいいんだよ。そうしたら、ずっと3人で居られる』って言って。
あー、そういう手があったんだって、何か拍子抜けしちまってよ｣
そう言うはじめの顔は、いつも通り純粋で。
本当に、なんの疑いもなく、その提案を聞き入れたのだろう。
｢だから、ね？
�爐匹辰舛�選べ�瓩覆鵑董△修鵑聞鵑併�は言わないからさ｣
�爐困辰函�3人で居よう��
そんな言葉を発したのは、徹か、はじめか。
多分、どっちもだろう。
私は、気付いていた。
その提案に、その告白に、私の意思が少しも関与していない事を。
でも、気付かないフリをするしかなかった。
__ 必然なんだ。
2人とこのままずっと一緒にいることは。
永遠に。
誰かが死んでしまう迄。
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作者名：ヒマリ | 作成日時：2020年5月10日 23時
