お前の彼氏、浮気しとったで。１［北,赤葦］ ページ2
.
__それは、ある同級生からの囁きやった。
｢お前の彼氏、浮気しとったで｣
そんな彼の言葉に、思わずぶはっと吹き出す。
｢多分それ、北の勘違いやない？｣
私が笑ってそう言えば、彼は少し眉をひそめた。
でも、そんな話し少しも信じられない。
�狄�じたくない�瓩笋覆�て、�狄�じられない�瓩笋佑鵝�
それくらい、私の今の彼氏は堅実で真っ直ぐで、誠実な人。
そうやな、例えて言うなら。
今丁度私の目の前に居るウチのキャプテン、北信介みたいな人。
｢北も知っとるやろ？
赤葦がそういう事せぇへん子なの｣
__今、言葉にした通り私の彼氏は梟谷学園のセッター、赤葦京治。
彼と付き合い始めたのは、夏前に行った合同合宿の時。
それ迄にも何度か大会とかで顔を合わせた事はあったけど、私は特に彼の事は何とも思っとらんかった。
で、何故か。
たった数回しか顔を合わせたことが無い赤葦に、突然告白されたんや。
『一目惚れ、しました』
って。
正直、何とも思って無かった、とはいえ。
人生で初めてされた告白やから、嬉しかった。
それに相手は、男バレの強豪校の副主将。
今思えば、断る理由なんか無かったと思う。
『…でも、私、赤葦くんの事よく知らへんし』
『じゃあ、これから知ってください』
そう言った時の彼の目は真っ直ぐで。
その言葉に、不覚にもときめいてしまった私が居た。
多分、もうそん時には好きになっとったんやないかな。
そうして、今現在。
夏合宿真っ只中。
参加校には勿論、赤葦の居る梟谷学園も入ってるわけで。
兵庫と東京の遠距離恋愛である私たちは、久々に会えたことに喜びあっとった、というわけ。
で、そしてまたまた何故か。
練習の休憩中の今。北には、不思議な事を言われてしまっとるんやけどな。
まあ、北の勘違いとしか思えんのやけど。
北はそんな嘘言う人やないし。
そもそもそんな嘘言う理由も無い。
やから、どうせ侑ら辺にでも騙されたんやろう。
って、私は軽く考えとった。
｢いや、でもな｣
｢Aさーんっ、テーピングやってくださーい｣
北が何かを言いかけた時、侑から突然名前を呼ばれた。まあ、稲荷崎のマネージャーやっとるからそゆこと頼まれるのは仕方ない。
｢あーい。
北、ごめん。その話はまた後でな｣
私は彼にそう伝えて、侑の方へテープを持って駆けだした。
…勿論、その後の練習は少し、ほんの少しだけ。
上の空、やったんやけど。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 77人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ヒマリ | 作成日時：2020年5月10日 23時
