［90］ト ラ ウ マ ページ45
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▽ 主side ▽
日向｢…っ、う〜〜〜〜〜っ｣
そう呻き声を上げた翔陽に、皆が安堵のため息を吐いた。勿論、僕もその1人で。
でも、自分の心臓の音はまだ大きく鳴り響いたままだ。
ﾄﾞｸﾝｯﾄﾞｸﾝｯ
っと、僕の身体に訴えかけてくる。
吐きそうだ。
ぐっ、と、右手で胸元を掴んでも。
気分は悪くなるばかりで。
周りの声も、全然聞いている余裕なんて無かった。
なんか、飛雄と翔陽がまた言い合っている気がする。早く止めなきゃ。
でも、身体が。1度座り込んだ僕の体は、起き上がってくれない。言う事を聞かない。
吐きそう。
菅原｢Aどした？｣
スガさんはそう言って、座り込んでいる僕の所に駆け寄って来た。
菅原｢えっ、ちょ、顔色悪っ！
どした！？体調悪いのか！？｣
彼は僕の顔を見た瞬間、驚いて僕の背中をさすりだした。体調は、多分悪い。
でも、今は取り敢えず、試合を続けないと。
｢大丈夫、です。
試合終わるまでなら｣
と、いつもの様に微笑む。
また、スガさんに心配を掛けてしまった。
周りの皆も心配してくれていたが、何とか立て直した。バレーなら、どれだけ体調悪くても出来るだろうし。
先生にも大丈夫と言って、無理矢理やらせて貰った。
試合が再開されてからは案外いつも通りで、寧ろ動いた方が体調が良くなってきた。
スパイクもいつも通り打てるし、レシーブも完璧。
飛雄へのトスも、いつも以上に綺麗に上げられた気がした。
＊
試合が終わって、挨拶が終わって。今、何とか体調は良くなっていた。
吐き気も無くなり、動悸も治まって。翔陽達の速攻凄かったなぁ、とか。そんな事を平気で思っていたのだから。
まあやっぱり、彼への嫉妬、って奴は拭い切れないのだけれど。
菅原｢A、体調大丈夫か？
試合中凄い調子良さそうだったけど｣
部室に戻っていると、スガさんが心配そうに声を掛けてきた。
｢あっ、はい。ご心配おかけしました｣
と笑えば、スガさんも安心したのかいつもの様に微笑んでくれた。
菅原｢良かった。ホントあん時は焦ったぞ｣
｢孝支さん、凄い顔してましたもんね｣
と、言ってしまって。
あっ、と思った。
孝支さん呼びは、2人きりの時だけと言われていたのだが。
どうやら前を歩く先輩達には聞かれていなかったらしい。当の彼はというと、顔を真っ赤に染めて安堵の溜息を零していた。
菅原｢…ほんと、自分で言っといてなんだけど、心臓に良くない｣
(続く)
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おののいもこす - 92の濡れてる方が＿って、京都銀行の相合い傘 濡れてる方が 惚れている ですよね！あの句いいですよね！ (2020年4月27日 10時) (
レス) id: b426f69678 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 面白すぎます！更新楽しみにしてます！更新頑張ってください！ (2020年4月25日 20時) (レス) id: 0a80c4d22b (このIDを非表示/違反報告)
あやの(プロフ) - 今後どうなるのかほんとに楽しみです！続き楽しみにしていますね！更新頑張って下さい。 (2020年4月9日 11時) (レス) id: a320407a1b (このIDを非表示/違反報告)
樹 - 続編来ました！この作品が大好きです。正直早く続きが読みたくてうずうずしています。主人公がこれからどう進化したり人間模様がどうなるのかも楽しみにしています。 (2020年4月9日 11時) (レス) id: 8e6b7bcff3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヒマリ | 作成日時：2020年4月9日 11時
