［84］__ 二口side ページ38
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▽ 二口side ▽
いきなり腕を掴んで、俺、今先輩達からどんな目で見られてるんだろう。まあでも、話し声はさっきから全く無いから部員全員コチラに注目してるのは分かる。
視線が痛てぇ。
｢えと、嬉しいんですけど…｣
振り向いたAは、儚げな笑顔でそう言葉を濁らせた。
二口｢…何？｣
俺の口からは、思わず低い声が出る。
だって、断る必要なんてねーじゃん。
わざわざ来てもらったんだから、送るって言ってんのに。
でも、彼の意思は変わらなかった。
｢すみません。今日は先輩と来てるので、お気持ちだけ受け取っておきます｣
彼は申し訳なさそうに微笑むと、俺の腕からそっと逃れた。俺も別に、強い力で抑えてたわけじゃないから、離れるのは簡単だっただろう。
茂庭｢そっか、悪いな引き止めて。
返しに来てくれてありがと｣
｢いえ。こちらこそ、本当にありがとうございました｣
何も返せなかった俺の代わりに茂庭さんがそう言ってくれて。Aもそんな彼の言葉にもう一度頭を下げると、今度は本当に俺らの前から居なくなってしまった。
茂庭さんは直ぐに部室の扉をガチャりと閉め、ロッカーへと戻って行く。
俺も彼の後に続いて、青根とロッカーの前まで身体を戻した。青根は少し、寂しそうな表情を浮かべている。
鎌先｢え、何？
振られた？｣
暫くの沈黙を打ち破ったのは、うるさい先輩。鎌先さんだった。
二口｢振られたってなんすか。あいつ男なんで｣
俺はそう言って、いつもの馬鹿にした顔で鎌先さんを振り返る。その俺の言葉を合図になのか、また周りの部員達は会話を始めた。
そもそも何で、そういう発想になるんだ。
学ランだって着てたし、どう見ても男だろ。顔以外。
笹谷｢てか今の子可愛かったね。女の子かと思った｣
茂庭｢俺も最初はちょっとそう思ったよ｣
そんな先輩達の声が聞こえる。
彼等の声に俺は耳を済ましながら、鞄に脱いだばかりの練習着を畳んで詰め込んだ。
鎌先｢つーか、その紙袋はなんだよ？
で、あいつは誰？｣
茂庭｢あぁ、そうだった。
昨日色々貸したから、多分それかな｣
笹谷｢貸した？｣
茂庭｢そう。昨日帰りに倒れてるのに偶然出くわしてさ。
烏野のバレー部の子だよ｣
茂庭さんは先輩達にそう説明すると、紙袋の中身から俺のタオルと青根のジャージを取り出して俺らに手渡した。
タオルからは。甘い柔軟剤の香りがした。
鎌先｢…倒れてた！？｣
二口｢鎌先さん、うるさいっす｣
(続く)
［85］烏の�爛─璽広瓣�←［83］神の使い __ 茂庭side
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おののいもこす - 92の濡れてる方が＿って、京都銀行の相合い傘 濡れてる方が 惚れている ですよね！あの句いいですよね！ (2020年4月27日 10時) (
レス) id: b426f69678 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 面白すぎます！更新楽しみにしてます！更新頑張ってください！ (2020年4月25日 20時) (レス) id: 0a80c4d22b (このIDを非表示/違反報告)
あやの(プロフ) - 今後どうなるのかほんとに楽しみです！続き楽しみにしていますね！更新頑張って下さい。 (2020年4月9日 11時) (レス) id: a320407a1b (このIDを非表示/違反報告)
樹 - 続編来ました！この作品が大好きです。正直早く続きが読みたくてうずうずしています。主人公がこれからどう進化したり人間模様がどうなるのかも楽しみにしています。 (2020年4月9日 11時) (レス) id: 8e6b7bcff3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヒマリ | 作成日時：2020年4月9日 11時
