［76］幸せのひと時 __ 山口side ページ30
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▽ 山口side ▽
山口｢Aーっ｣
5組の教室の扉の前、俺はそう彼の名前を呼んだ。
Aは僕の声に気付くと、嬉しそうな顔をして駆け寄って来る。やっぱり、部活じゃない時は可愛い顔した男の子って感じだ。
｢今日は忠と蛍が1番だね｣
そう微笑む彼につられて、僕も笑顔になる。
月島｢影山も日向も今日の４限は移動教室だからね｣
ツッキーはそう言って、黒い笑顔を浮かべた。
最近のお昼は、日向と影山、そして俺とツッキーのA争奪戦と化している。毎日の様に俺達がAとお昼を食べると揉め合うので、1番最初に来た人と食べる、と彼が呆れ顔で言ったのであった。
正直、皆と食べればいいんだろうけどツッキーと影山が嫌がるからな。
そう思いながらツッキーを見ていれば、何、と睨まれた。
山口｢何でもないよ、ツッキー｣
｢んじゃ、お弁当持って来たし行きますか｣
その彼の言葉に、俺とツッキーはこくりと頷いて。
いつもの場所、屋上へと足を向けた。
＊
月島｢てか、Aの人気度合いヤバくない？｣
｢え？そう？｣
お弁当を食べている最中。
ツッキーの突然の一言に、Aは何の事だと首を傾げた。まあ、ツッキーがそう言うのも仕方ない。
俺達のクラスでさえ、水宮さんがカッコイイだの、同じ部活の俺達に色々情報寄越せだの言われる始末だからな。
山口｢俺達もよく、Aに彼女がいるのかって聞かれるからね｣
｢えっ、何でそれを忠達に聞くの？｣
月島｢知らないよ。自分で聞く勇気がないんデショ｣
ツッキーはAの質問に、呆れ気味にそう答えた。
でもやっぱり、Aはよくわかっていない様子だ。頭が良くて鈍感って、それ計算してるよね？実は。
なんて、思ってしまう。
本当はそんなこと全然無いんだろーけど。
月島｢で？ 実の所どうなの？｣
｢え？何が？｣
山口｢本当に彼女は居ないの？って事だよ｣
俺がツッキーの言葉にそう付け加えれば、Aはぶはっと吹き出した。
｢いや、いるわけないじゃん。
僕そういうの興味無いもん｣
彼は何故かドヤ顔でそう言って、たこさんウィンナーを1つ口に運んだ。んま〜、と幸せそうな顔で微笑む。
なんだこの生物、可愛すぎる。
月島｢…だろうと思った｣
山口｢まあ、念の為、みたいなやつだよね｣
そう微笑めば、ツッキーも安心したような顔でこくりと頷いた。
お昼の、幸せなひと時。
こんな時間をいつまでも君達と過ごしていきたいと、そう思った。
(続く)
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おののいもこす - 92の濡れてる方が＿って、京都銀行の相合い傘 濡れてる方が 惚れている ですよね！あの句いいですよね！ (2020年4月27日 10時) (
レス) id: b426f69678 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 面白すぎます！更新楽しみにしてます！更新頑張ってください！ (2020年4月25日 20時) (レス) id: 0a80c4d22b (このIDを非表示/違反報告)
あやの(プロフ) - 今後どうなるのかほんとに楽しみです！続き楽しみにしていますね！更新頑張って下さい。 (2020年4月9日 11時) (レス) id: a320407a1b (このIDを非表示/違反報告)
樹 - 続編来ました！この作品が大好きです。正直早く続きが読みたくてうずうずしています。主人公がこれからどう進化したり人間模様がどうなるのかも楽しみにしています。 (2020年4月9日 11時) (レス) id: 8e6b7bcff3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヒマリ | 作成日時：2020年4月9日 11時
