[74] ページ28
.
▽ 主side ▽
ガチャりと部室の扉が開いて、そこにはいつの間に居なくなってたのか。青根さんがタオルを持って立っていた。
茂庭「あっ、青根ありがとう」
茂庭さんはそう言って、青根さんからタオルを受け取ると僕の額にそれを乗せた。
「つめたっ…」
茂庭「水で濡らしてもらっただけだぞ」
だからって、急に冷たい物のせられたら誰でもこの反応になりますよ。と、優しく微笑む彼を下から見つめながらそんな事を思う。
茂庭「…そだ!自己紹介、しないとなっ」
ボーッと彼を見つめていれば、茂庭さんは思い出したようにそんな事を口にした。まあ、苗字ならもう教えて(?)貰いましたけど。
二口「いりますか?」
茂庭「いるだろ!怖いじゃん、名前も知らない人に囲まれてるって」
二口「…そっすかね」
茂庭さんは二口さんにグイッと顔を近づけて猛説得をするも。二口さんはどうやら不服そうだ。
茂庭「えっと、俺は伊達工3年の茂庭 要」
二口「俺は、2年の二口 堅治」
青根「青根!高伸!」
うおっ。初めて喋ったと思ったら、凄い大きな声だな。元気で宜しい。…って、そういう事じゃないか。
茂庭さんは「バレるから声小さくね!」って、凄い慌ててた。
二口「青根も俺と同じ2年」
茂庭「そんで、ここが我が男子バレー部の部室。
俺、一応主将なんだ」
その彼の言葉に、ぴくりと身体が反応してしまった。
…やっぱり、月バリの雑誌とか置いてあったからもしかして、とは思っていたけれど。
伊達工のバレー部、だったのか。
「えと、烏野高校1年の水宮 Aです。
僕も男バレ所属です」
そう言うと、茂庭さんと青根さんはキラキラと目を輝かせた。青根さん、大きいのに小動物感あってちょっと可愛い。
因みに、二口さんは口が少し歪んでいた。
茂庭「そっかぁ、A君もバレー部かぁ。
いつか戦うかもなっ」
と、嬉しそうな顔でそう言う茂庭さんの言葉に青根さんはブンブンっと首を縦に振っている。
この人達もバレーが好きなんだな。表情で分かる。
二口「…なんで嬉しそうなんすか」
こっちの人は全然嬉しく無さそうだけどね。
なんか逆に傷付く。
二口「てかお前、何で救急車呼ぶなとか言ったわけ?」
彼は唐突に、僕の顔を見てそう聞いてきた。
忘れてて欲しかったんだけどなぁ、と思いつつ理由を考える。父のことを言うとめんどくさくなりそうだからな。
「…注射が嫌いなんです」
二口「…は?」
あかん、間違えたか。
(続く)
554人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おののいもこす - 92の濡れてる方が_って、京都銀行の相合い傘 濡れてる方が 惚れている ですよね!あの句いいですよね! (2020年4月27日 10時) (レス) id: b426f69678 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 面白すぎます!更新楽しみにしてます!更新頑張ってください! (2020年4月25日 20時) (レス) id: 0a80c4d22b (このIDを非表示/違反報告)
あやの(プロフ) - 今後どうなるのかほんとに楽しみです!続き楽しみにしていますね!更新頑張って下さい。 (2020年4月9日 11時) (レス) id: a320407a1b (このIDを非表示/違反報告)
樹 - 続編来ました!この作品が大好きです。正直早く続きが読みたくてうずうずしています。主人公がこれからどう進化したり人間模様がどうなるのかも楽しみにしています。 (2020年4月9日 11時) (レス) id: 8e6b7bcff3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ヒマリ | 作成日時:2020年4月9日 11時