［73］ ページ27
.
▽ 主side ▽
茂庭｢取り敢えず、これ飲んで｣
と、口の前に差し出されたのは茂庭さんの鞄の中から出てきた水筒。自分で飲もうと思ったのだが、｢飲ませるよ｣と言われ、そのまま彼に飲ませてもらった。
中身はアクエリ。
水分を摂っただけで、大分気分が楽になった気がする。
茂庭｢汗が凄いし、多分熱中症だと思う｣
『え！今、夜ですよ！？』
茂庭｢夜とか昼とかあんまり関係無い。
手足が痺れたりとかはある？｣
茂庭さんにそう聞かれたので、僕はゆっくりと首を横に振った。
茂庭｢吐き気は？｣
｢無い、です｣
そう答えれば、彼は少し安心した様な顔をした。
茂庭｢ん、なら少し休めば大丈夫だと思う。
取り敢えずウチの部室が近いから、そこに連れてくね｣
茂庭さんはそう言うと、僕の返事も聞かずに、傍にいた大きな人に僕を抱えるよう頼んだ。彼は、青根さん、と言うらしい。
青根さんは僕をお姫様抱っこで抱きかかえ、そのまま僕は彼等の部室まで運び込まれた。
部室に着くとイケメンの人がバタバタと毛布を床に敷いてくれて。僕はその上に横にさせてもらった。
汗が未だに凄くて、近くに座った茂庭さんがタオルで拭ってくれている。
青根さんは凄く心配そうな顔で僕の事を見守っているし、イケメンの人も顔は怖いけど心配してくれているのは分かる。
茂庭｢大丈夫？具合悪くなったら、すぐ救急車呼ぶから言うんだよ。
今は、呼ぶ必要がないから呼んでないだけだからな｣
真剣な表情でそう言われてしまったので、僕は｢すみません｣と、言葉を零した。
｢…助けて頂いてありがとうございます｣
僕がそう言えば、茂庭さんは眉を下げてふわりと優しく微笑んだ。
茂庭｢いーよ。急にぶっ倒れてビックリしたけどな｣
笑顔が凄く、あったかい人だと思った。
ふわっと、心を包まれる感じがする。
茂庭｢えーと…だいぶん良くなった？｣
｢はい…もう暫くしたら、体調も戻ると思います｣
茂庭｢そっか…良かった｣
本気でホッとしたような顔をしてみせる茂庭さん。
凄い優しい人だな。
『ほんっとに、茂庭さんに感謝しろよ！
救急車呼ばなかったのも、茂庭さんが優しいからだからな！』
茂庭｢ちょっ、二口！病人には優しくしろ！｣
イケメン君は二口さん、というらしい。
｢ホント、すみません。ご迷惑お掛けして…｣
そう謝れば、二口さんはギョッとした顔をして。
数秒後。何故か二口さんから、不機嫌そうに頭を撫でられた。
(続く)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 554人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おののいもこす - 92の濡れてる方が＿って、京都銀行の相合い傘 濡れてる方が 惚れている ですよね！あの句いいですよね！ (2020年4月27日 10時) (
レス) id: b426f69678 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 面白すぎます！更新楽しみにしてます！更新頑張ってください！ (2020年4月25日 20時) (レス) id: 0a80c4d22b (このIDを非表示/違反報告)
あやの(プロフ) - 今後どうなるのかほんとに楽しみです！続き楽しみにしていますね！更新頑張って下さい。 (2020年4月9日 11時) (レス) id: a320407a1b (このIDを非表示/違反報告)
樹 - 続編来ました！この作品が大好きです。正直早く続きが読みたくてうずうずしています。主人公がこれからどう進化したり人間模様がどうなるのかも楽しみにしています。 (2020年4月9日 11時) (レス) id: 8e6b7bcff3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ヒマリ | 作成日時：2020年4月9日 11時
