turn8:霧 ページ14
温かい、雨の人……
不思議な人。ほとんど面識なんてないのに、こんな布団まで用意してくれて、寝惚けた私のわがままに律儀に従ってくれるなんて。何より不思議なのは、この冷たくて、温かい手。
そっと額からその手を外し、起き上がる。その温もりが放しがたくて、そっと両手で包み込む。じわりとその温もりが伝わってくる。
そこでかくん、と首をもたげたその人が気づき、私を見た。
「……れ? 俺としたことがうたた寝しちまった。目、覚ましたのか。具合はどうだ?」
目をこすりながらナチュラルに問われて、私はとっさにうん、とだけ頷いた。
「…………もう、大丈夫……だと思う」
「どれどれ?」
私の返答を聞くと、その人が顔を至近距離に寄せてくる。私の前髪を少し掻き上げて、額同士をくっつけた。それからうーん、と唸った末、こう告げる。
「もう少し、横になってた方がいいんじゃねーの? 熱はまだ抜けきってねーみてーだぞ? っつっても、俺、素人だけどな」
「う、うん……」
吐息のかかるような距離の瞳を直視することができず、少し俯く。熱のせいじゃなく、頬が熱くなる気がした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ﾍﾟﾝﾈｸﾞﾗﾀﾝ(プロフ) - ｱ ﾘ ｱさん» 読んでくださり、嬉しいです。
リング編あたりまでの知識しかなかった頃の駄作ですが、最後まで頑張ります。コメント、励みになります。 (2016年10月9日 22時) (携帯から) (
レス) id: 04ea405d06 (このIDを非表示/違反報告)
ｱ ﾘ ｱ - クロームと山本が大好きです！楽しみにしてます！ (2016年10月9日 21時) (レス) id: aa61ec1ba2 (このIDを非表示/違反報告)
ﾍﾟﾝﾈｸﾞﾗﾀﾝ(プロフ) - 腐・委員長さん» 骸「クフフフフ……山本武、覚悟してください」
山本「んおっ!?なんか寒気が」
って感じです。
コメントありがとうございます。 (2016年10月9日 11時) (携帯から) (レス) id: 04ea405d06 (このIDを非表示/違反報告)
腐・委員長(プロフ) - いよいよクロームのお父さん的存在骸さんの出番ですね（笑）それよりも山本の格好したクロームちゃん…まったくもってけしからん（（鼻血 (2016年10月9日 9時) (レス) id: 525858538d (このIDを非表示/違反報告)
ﾍﾟﾝﾈｸﾞﾗﾀﾝ(プロフ) - 腐・委員長さん» コメントありがとうございます。
ほのぼの目指して頑張ります。ただ、途中で骸さんがクフフっと邪魔するんですよね(苦笑) (2016年10月7日 16時) (携帯から) (レス) id: 04ea405d06 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時：2016年10月6日 23時
