▽ 好 き っ て 、▽

そういうのが好きな奴も ページ22

.渋谷side






放置しながら、八重歯が聞いてきた



「Aってさ、どうなんやろな、」

「なにがやねん、
っちゅーか呼び捨てすんな、」



喋ったこともないくせに、



「んぁ？ええやん、減るもんちゃうし、

なにがって、お前のことやん、」



「俺んこと、？」



「せや、お前のことや、

こんなにずっと一緒におったら、
きっと、Aにとっては、
ただの幼なじみでしかないやろ、」


「せやな、」

そう言って、また寝転んだ。



「伝えなあかんのちゃう、」





そう、わかってんで、八重歯。

でもそう簡単にできることちゃうやん、



「ん、」



いたい現実を突きつけられて、

見上げれば、嫌みなほど青い空で。


なにもみたくなくて、目を閉じた。









伝えないのは、
今の" 幼 な じ み "という関係が

＿ 心 地 い い か ら ？
＿便利だから？
＿壊す勇気がないから？





ただの" 幼 な じ み "から、

＿＿＿抜け出せない。




たとえ、
どんなに長い時間

＿ 過 ご し て い て も 、
＿ 近 く に い て も 、
＿ 想 っ て い て も 、




後から来た奴に、

＿ 盗 ま れ て 、

試合終了。



そんなんやったら、ごめんや。


もうそろそろ、手打っとかんとあかんかな、




錦戸、
意外と後から追い上げてくるかも知らんし。

はは。
なにびびっとるんやろ、あんな奴に、








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