紅一点ちゃんの秘密~3~ (ページ10)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:59,981 hit

No,110 ページ10

「ごめんなさい」

そう俯いき呟いたA。

顔を下げているせいでその表情は読めなかったがきっと辛そうな顔をしているんだろう。

「本当にごめんなさい」

もう一度、今度は正面を向いてそう言った

「突然、活動休止を発表して。
正直、本当はもう此処には戻ってくるつもりはなかったんです
皆も薄々思ってたんじゃないかな？だって3年も戻ってこなかったんだもんね
今更なにノコノコと帰ってきてるんだって言われてもしかたないと思う」

眉を下げた彼女の言葉を真剣な表情で見つめるファンたち

「でも、此処にいるメンバーの皆が必死に説得してくれて
沢山話して、一度はこのグループが大好きだっていう気持ちに蓋をしたけど
それを無理やりこじ開けて帰って来いって言ってくれたんです。」

「そのおかげで私は今、此処に立っています。正直、怖かった。
どんな反応をされるのか分からなくて悪口言われたらとか白い目を向けられたらとか
色々考えて、でもそんな事全然無かったね。ありがとう暖かく迎えてくれて」

そう言い美しく笑った彼女は何よりも綺麗だった

「本当にメンバーをそしてファンのみんなを裏切るような行動をしてしまってごめんなさい
そして、またもう一度このグループで活動をする事を許してほしい
そんなの受け入れられないっていう人はまたもう一度受け入れてもらえるように頑張ります」

決意を表明した彼女は一度息をついてゆっくりと会場全体を見渡してからこう続ける

「皆、ただいま」

アイドル望月Aは戻ってきたぞ。

まるでそう宣言するかのようにとびっきりの笑顔を見せた彼女に今日一番の声援が送られた。