紅一点ちゃんの秘密~3~ (ページ8)

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懐かしい楽曲が流れ出し

モニターにポンプアップで登場した皆んなが映る。

いよいよ始まったコンサート。

会場が歓声に包まれて普通ならここから曲を歌いだすが

今回のコンサートは少し違う

皆んながステージに上がった瞬間ブチっと明らかにおかしく切れた音楽

機材トラブルか何かかと不審がるようにザワつきだした会場。

そんな会場に響いたのは涼介の声。

「えっと、皆んな落ち着いて？

別にこれは機材トラブルとかじゃなくて、演出、、、っていうかなんていうか……

うまく説明できないんだけどとりあえず安心して？」

辿々しく話し出した涼介に会場全体が目を向ける

「皆んなに伝えたいことがというか、言わなきゃいけないことがあるんだ

この報告をここに居る全員、そして今この会場にいないファンのみんなが

納得できる、喜ぶことができるかは正直わからない。

でも、これはメンバー全員で沢山話し合って決めたことだから受け入れてくれると嬉しい。」

そんな涼介の言葉に不安がり再びざわつく会場

そりゃあそうだライブを中断してまでの発表なんて怖いに決まってる

それも嬉しい報告かどうか分からないなんて言われたら不安になってしまうだろう。

「じゃあ、本人の口から言ってもらいます。ほら、きて！」

そんな涼介の呼びかけに応えて出て行く私

緊張で少しだけ手が震えてる心なしか息も苦しいしフラフラする気がする

心臓が痛いくらいに鼓動して近くにいる人なら聞こえてしまうのではないかと思うほどだった

私がでてきたのがモニターに映しだされ「え？」だとか「なんで」とかいう戸惑いの声も

「キャーー！！！」と控えめに歓喜の声を上げる声も一人一人反応は様々だった

「えー、お久しぶりです。Aです。」

私が挨拶をしたら「キャーー」と今度は大きな声援が会場中に響き渡った。

そんな皆んなに”あったかいなぁ”って思って少しだけ泣きたくなった