仮面の裏に全てを隠して〜ym×in〜

4 ページ5

「えと、、、なに？」





声がかぶってしまってどうしようかと思ったけれど





別に特に話したいことがある訳でもないから大ちゃんの問いかけに答えてみた。






「あぁ、うん、、あのさ、伊野尾ちゃん
俺に隠してることあるよね？？」






「えっ？」






不安げに揺れる大ちゃんの瞳。






なんで急に？隠してること、、、ある事はあるけれど






大ちゃんにだって俺に言っていない秘密の一つや二つあるはずだ、






それなのにこんな質問を真剣にしてくると言う事は






絶対に何か俺に不満があると言う事、、、






なんなんだろう？






「えと、、なにが？大ちゃんだって俺に言ってないことあるでしょう？」






そこまで自分で考えたって肝心の答えにはたどり着かなくて






聞き返したら悲し気にため息をつかれた







「そう言う事じゃなくて、最近伊野尾ちゃんため息多い、


なんで？何かあったの？って聞いても答えてくれないし、、、


俺ってそんなに頼りないかな？


確かに俺は薮くんとかひかみたいにいいアドバイスとかできないだろうし


山田とかみたいにしっかりしてるわけでもないよ？」






途中に出てきた"山田"と言う単語に一瞬だけ心臓がドクリとなった






「でも、でもさ、、俺だって相談くらいならのれるし



それでなくても話くらい聞いてあげられる。



だからもっと頼ってよ？一人で溜め込まないで？」






必死に訴えてくる大ちゃん





「違う、頼りないわけじゃない


むしろ大ちゃんには頼ってばっかりなところもあるし……


俺、大ちゃんの事かなり信頼してるよ？」






「ならなんで頼ってくれないの！？」






もう泣きそうな大ちゃんの悲痛な叫びにズキズキと心が痛んだ。

5→←3,side-K

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す