君と見たあの空を (ページ42)

今日:18 hit、昨日:8 hit、合計:18,242 hit

042 ページ42

『わ、美味しそう。』

運ばれてきた料理たちはどれもとても美味しそうで思わず声が出る。

「じゃあ食べましょ」

いただきます。

ひと口食べると思わず頬が緩んでしまうくらい美味しくて

『これ、すっごく美味しい』

なんて興奮したように玲於くんに報告する。

視線は簡単に交わって満足そうに笑った玲於くんは同じように料理に手をつける。

『玲於くんは子供の頃からダンスやってるの？』

雑談をしながら食べ進めてそろそろお腹も一杯になってきた頃

ふと気になった事を尋ねると彼は

「そうっすね、ずーっとやってる」なんて小鉢を突きながら答える。

『へーだからあんなに幸せそうに踊るんだね』

「幸せそう？」

特に意識して発した言葉ではなかったが

何か引っかかったのか聞き返される。

『うん、心の底から踊ることが楽しい、幸せだ、って
ダンスが生きがいだ！って伝わってくるダンスだなぁって思って』

「なんか、嬉しい」

そう言ってはにかんだ彼にどくりと心臓が鼓動した。

『えっと、玲於くんのダンスジャンルって
えっーと。なんだっけ、くー、、くたんぷ？』

うるさい心臓を落ち着かせるように慌てて話題を変える。

不自然だっただろうか？そんな心配は

「惜しい。クランプ」

あちゃー惜しい！って少し大袈裟なくらいにリアクションを取る彼を見ると杞憂だったようだ。

『あぁそう、クランプ。前に亜嵐くんに教えてもらったんだよ』

うんうん。って心地よく相槌を打ってくれる玲於くんに乗せられてペラペラと喋りだす。

『凄く、力強いよね』

なんだろこんな感じのやつ。

そう言いながら腕を上から下に適当に振り下ろす。

「アームっていうんですよ。Aさんはへたくそ」

ふはって笑いながらそう言う玲於くん

『しょうがないよ、やった事ないんだもん』

「まぁね、これで上手でもびっくりするしね」

笑う玲於くんにつられて自然と口角が上がる。

『ねぇ、アーム？だっけ。それ以外にも技名？はあったりするの？」

「もちろん、こうやって胸を突き出す動きとか_____」

実演しながら教えてくれる玲於くん

そこから始まった佐野玲於のクランプ講座。

なんだかお金が発生するレッスンみたいだ。