君と見たあの空を (ページ5)

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元々、若干人見知りな為、初対面の方とは緊張する方ではあるが

先程パフォーマンスを見て一番魅力的だと思った人と二人きりというこの状態だと

それに輪をかけて緊張するのは必然だった。

「ていうかすみません、亜嵐くんいなくて」

『いやいや、そんなこちらすみません勝手にお邪魔して』

亜嵐くんの事でペコペコしあっていたら困ったように謝ってきた佐野さん

ライブの時のSっけのある印象とは違いもっと柔らかい空気を纏っていて

それもまたギャプがある人だなと何となく思う。

「いやいや、招待してるのはうちの亜嵐の方なんで、、、何やってんだあの人」

一瞬視線を宙に浮かせた後、思い切り顔を顰めた佐野さん

仮にもリーダーだというのにあまりに雑な扱いを受けている事実に思わず笑ってしまう。

「なんか飲みます？」

『いえ、そんな。大丈夫ですよ』

そういえば、と気を利かせて提案してくださった佐野さんに悪いからと断ろうとすれば

「ミルクティーが好きなんですよね？」と被せ気味に聞かれる。

『、、なんで知って？』

好きな飲み物を当てられて思わず聞きかえす

「あぁ、うちの亜嵐が宮さんが好きだからーって言って買ってきたんすよ」

『あ、なるほど……じゃあ折角なので頂きます』

　

わざわざ私の為に買ってきてくれたと聞いたら飲まないわけにはいかない

お言葉に甘えて頂くことにした。

ここどうぞ、そう言って椅子を引いてくださった彼に従って座ってミルクティーをいただく

当たり前のように椅子を引けるなんて紳士的な人だ。