君と見たあの空を (ページ24)

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ふわふわとした意識の中、心地の良い声が私の名前を呼んでいるのが聞こえる

そんな声に誘われて目を開けるとそこは知らない場所だった。

知らない天井に知らない布団。

回らない頭で必死に昨日の出来事を振り返って、今自分が置かれている状況を考えるけれど

納得のいく解はでそうにもなかった。

「おはようございます」

兎に角、冷静になって状況を整理しようと

身体を起こそうとした時、降ってきた声。

聞き覚えのあるその声の方を向けば佐野さんが立っていて

いつの間にそこにいたのかと驚愕する。

声すらも出すことの出来ない私をみて

「宮さんが寝起き悪いなんて意外でした」と悪戯な笑みを浮かべた彼。

『あ、えっと、、』

正直状況は全く読めていなかったが

寝起きが悪い事を指摘されて恥ずかしさに思わず顔が熱くなる。

そんな私を知ってから知らずか淡々と話を進める佐野さん

「朝ごはん食べれますか？簡単なものだけど作るんで」

そんな言葉に感じている戸惑いを隠すこともせず

ふわふわした気持ちで曖昧に返事をすれば佐野さんは短く笑って続ける

「じゃあ用意するんで行きましょうか」

そんな佐野さんに教えていただいた洗面所に向かい顔を洗う。

冷たい水を浴びて少しずつ冷静になってきた頭で考えても

やっぱりここにいる意味はわからなかった。