君と見たあの空を (ページ22)

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玲於side

「なんか、素敵な考え方ですね」

そう言いながらながら彼女の方に向けば既に目を瞑って眠っている。

しっかりとした印象の強い彼女の無防備すぎる姿に驚いた。

相当疲れているんだろう。

「宮さん？今日は帰りますよ、もう遅いし
こんな所で寝たら風邪ひきますよ？うん、絶対引く』

明らかに寝不足と疲労の伺える顔をしている宮さんにそう言うけれど

もう完全に眠ってしまったようで返事をしない。

流石にこんな所に一人置いていったら怖い。

ていうか真冬にこんなところで寝たらいくら今年が暖冬といえど風邪をひく

「家どこですか？送ってくんで言って？」

「宮さーん？」

何度問いかけてもちゃんとした返事は返って来ず

どうしようかと暫く思案した挙句やっぱり一人ここに置いていく事は出来ないからと

誰に言うわけでもなく言い訳をして彼女をおぶって帰路についた。

触れた指先は驚くほど冷たくて

すぐに暖かいところに連れて行こうと足を速める。

もしこんな所が撮られでもしたら一大事だろうな

なんて他人事のように考えながら宮さんをおぶりなおす。

幸い公園から俺の家まではそんなに距離もなかったため

誰ともすれ違う事なく帰ってくる事ができた。

一旦ソファに寝かせてもう一度呼びかけてみるけれどやっぱり反応はなくて

本当はお風呂にでも入ってあったまってもらいたかったけど

仕方がないから来ていた上着だけ脱がせて寝室へと運んだ。

暖房をつけて、乾燥しちゃうなって加湿器を焚く。

目が覚めたとき真っ暗だったらダメな人だろうか？

そんな事を考えて間接照明をつけたら

偶然か嫌そうに眉を顰めたから少しだけカーテンを開けた。

「ここに寝た人貴方が初めてですよ」

別に特に意味があるわけでもないけれど

なんとなく眠っている彼女にそう呟いて寝室を後にした。