君と見たあの空を (ページ19)

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帰りの車で石田くんが教えてくれた嬉しい情報。

「あ、Aさん、明日撮休になったので一日中お休みです。」

『え！本当に？』

「その代わりあの午後から休みの日は無くなりますけどね」

『全然いい。1日休みんなんていつぶり！』

分かりやすくテンションの上がっている私に笑っている石田くん

『送ってくれてありがとう、おやすみなさい』

「しっかり休んでくださいね！」

そういう石田くんに返事をして手を振る。

車が見えなくなったところで方向転換。

明日は休みだし久しぶりにあそこに行こうかな？

ふふって自然と溢れた笑顔

顔を引き締め直して家とは逆の方へと歩き出した。

『久しぶりに来たな〜』

立ち並ぶビル群の中心にある小さな公園のベンチに座り誰に言うわけでもなく一人呟く。

上を見上げると狭い空からはるか遠くの方で薄っすらと輝く星々が見えた

それは決して絶景と言えるような美しい景色では無いけれど

息が詰まるようなコンクートで囲まれたこの街の中で

街灯や店先の灯のせいで霞んでしまいそうになりながら

それでもいつもそこに佇んで精一杯光り輝く星たちを見るのが好きだった。

昔、心がいっぱいいっぱいになって抱えきれなくなった時は

いつもこうやって星を眺めていた。

最近では忙しく家に帰らずホテルで過ごすことが多かったため

あまり来れていなかったがやっぱり落ち着く。

真夜中の公園。

喧騒から離れたこの場所で星を見上げるのは一つの息抜きだった。

何をするわけでもなくただ空を見上げる。

しかし朝からのハードな撮影に流石に身体も限界を迎えていたようで

いつの間にか意識は夢の中へと旅立っていった。