. ページ45
廉「…俺待ってるよ、」
「また、待っててくれるの、？」
廉「待つ、」
「いつになるかわからなくても？」
廉「次は、誰よりも早く、
Aのこと迎えに行っちゃお、」
「…じゃあ隠れない、」
廉「、俺で染めちゃお、」
「…廉くん、」
廉「…俺に惚れる準備しといてや、」
最後のセリフは、
私にしか聞こえないような声で
そっと囁いてくれた。
そして顔を近づけてきて、
思わず目を閉じそうになると、
廉「枯らさんから、」
そう、瞳で指切りをするみたいに
私の目をしっかり見つめて
ふんわり笑ってくれた。
私は、みんなへの思いが消えぬまま、
閉じようとしている花みたいだった。
紫「…またね」
「、うん、またね、」
君は仄暗い目でそう言ってきた。
「紫耀くん、」
紫「俺、Aと会うまで
情けないくらい小さかった、
だけどね、
今は自信もっていえる、
Aの幸せはここだよって。
ぎゅって手を引いて
ほら、こっちって、
導けるよ、
だからさ、」
「ついてくから、連れて行って、」
私は君の語尾にかぶせるように言った。
そして、
私の腰に手を当て、自分の方に引き寄せ、
紫「Aの見たい景色にも連れてって、」
「…どんなに遠く離れてても？」
紫「見たい景色、全部手繰り寄せるよ」
「…かっこよ、」
紫「俺はAのこと待つけど、
俺はAを待たせないよ、
すぐに迎えに行く」
「私も、もう待たせないように
がんばる、
私も行くから、」
紫「次会うのがさ、
お互いおじいちゃんとおばあちゃんに
なっちゃってたとしても、
Aは俺の
花嫁さんだよ、」
そう言う、君はすぐに跪いて
私の左手の小指に、
指輪をはめてくれる。
そして自分の左手の小指についた
同じリングを見せながら、
紫「約束、願い、
全部叶えてこうね、
ここは、次あったときまで
ちゃーんととっておいてね、」
と、私の薬指と
自分の薬指を重ねながら言うと、
その手にそっとキスをした。
そして、砂時計が落ちきる瞬間、
甘くてあつい、キスをして、
私は蕾を閉じるように
この夏をあとにした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 134人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「永瀬廉」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：嶺花 | 作成日時：2020年11月30日 18時
