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静かに涙をうかべるみんなとは対象的に、
次々と流れ落ちる私の涙を
君は、全部掬ってくれる。
この恋の行く先なんてわからない、
忘れないでほしいけど、
忘れてしまいたい、君への気持ち。
そんな思いを込めてしまった手紙と
矛盾しまくっていることを
今から言おうとしている。
「…私、
みんながいない夏、つまらなかった、
みんなが見せてくれた海は、
切なくて、でも幸せだった。
だから本当はもっと一緒にいたい、
いたかった…‥
でも、また、
きっとすぐ、会いに来るから、
みんなの夏、
私にくれませんか、？…」
必ず守れる約束ではないかもしれない、
だけど、
君たちとなら、
守れる気がする。
私が描きたいストーリーと、
君たちが語り継ぎたいストーリーは、
きっと同じだから。
どんな結末か、
明日を思い浮かべるだけで、
幸せになる、
輝いて見える、
誰もが浴びたいと思う光を纏って
過ごせる夏が来るはずだから。
「紫耀くん、
廉くん、
彩ちゃん、
海人くん、
みんなのこと、
本当に大好きだよ.....」
さようならと伝えるはずが、
好きと伝えてしまう私を、
許してください。
私の言葉と同時に、
みんなが駆け寄ってきてくれた。
そして、
5人みんなで、ぎゅーっとした。
励まし合うみたいに、
そして、誓い合うみたいに、
何度も目を合わせては、
ほほえみあって、
涙を煌めかせて、
おでこをこつんとくっつけた。
だけど、
砂時計の砂が、
残り時間を示すみたいに、
急速に、音を立てて
落ち始めるのに気がついた。
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作者名：嶺花 | 作成日時：2020年11月30日 18時
