君日記 (最終章) (ページ2)

今日:6 hit、昨日:4 hit、合計:25,030 hit

. ページ2

あと二回、

この砂時計をひっくり返せば、

君との夏が終わってしまう。

今まで朝から感じていた

太陽も眩しさとか

日差しの温かさとかが

なんとなく柔らかく、

控えめになっていることに気づく。

はあ、

君と

唯一過ごせる季節も

もう終わるんだね。

13年間この季節を待っていた、

終わりが来るなんて、

分かってたけど、

そんなこと時々忘れちゃうくらい、

君たちのこと、

君のこと、

大好きだったな。

君がせっかくくれた、

「すき」

その言葉。

あの夏を越えてきた

「すき」

その二文字に

ぎゅっと捕まって、

このままこの夏に

ひきとめてくれないかな。

そんなこと考えながら

君とかわした約束のために

私は彩ちゃんの家に向かっていた。

浴衣で花火、

まだ知らない、

君と、この海での花火大会。

いったい

どんなふうに見えるのかな、

ただきれいだ、とか

すごいな、とか

そんなことなんかどうでもよくて

君の瞳に映る

数々に光の虜になっちゃいそう。

ぼんやりと頭に浮かぶその感覚を

愛おしいな、

なんて考えてたら

あっという間に彩ちゃんの家についちゃった。

何度か訪れたこの場所にくるのも

今日で最後かな。