君日記 (最終章) (ページ1)

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「8月30日、月曜日、満開の花火

　好きを言葉にして

　波の力でも、

　風の力でも、

　なんの力も借りず、

　しっかり、

　13年間ためた思いを

　君に伝えられた。
　

　でも、

　また私は、

　突然、

　姿を消すことになってもいいのかな、

　大好きな人を

　このまま置いてけぼりになんて

　しちゃだめだよね。

　そうだよね。

　好きを伝えられた、

　伝えてもらえた、

　でも、

　私達は、

　それ以上にも

　それ以下にも

　もうなれない。

　何を望んでも、

　叶えられないことばかり。

　もう時間も、

　ほとんど残されていない。

　好き、

　だけじゃなくて、

　さようならって、

　ちゃんと伝えなきゃだよね。

　そんな1番言いたくないことを

　私が伝えたら、

　君は、

　どう感じるかな、

　寂しいとか、

　悲しい、

　そんなマイナスな感情を

　生まれさせちゃうのは、

　あんまり嬉しくないな。

　この夏で

　私のことを

　すっかり忘れて、

　君が新しい夏、

　始められるといいな。

　

　もう、

　忘れ物を

　そのままにしてね。」