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君は、
ずっと優しく触れていた
ネックレスを
そっと、元に戻した。
紫「夏が俺らをそうさせたのかな、」
「わからない、」
紫「俺だって、
Aがいない夏、
俺がまた忘れ物をする夏、
めっちゃ嫌いだった。」
「でも、
紫耀くんは、」
彩ちゃんに恋をしていた、
よね、？
そう聞こうとした。
紫「俺は、？」
「また新しい夏、
つかもうとしてたんじゃないの、？」
紫「ああ‥…
そういうことね、」
「ごめん、
なんでもない、
ごめんね。」
紫「つかまえそこねた訳でも、
つかまえたい相手を
簡単に変えた訳でもないよ
俺は、
この夏で、
取り戻しただけだよ、」
「取り戻した、？」
紫「失いかけたきらきらした夏を
自分の手でつかまえようとした、
今まで、
いっぱい辛い思いさせちゃったね、
ごめんな、A」
「紫耀くん、」
君の涙が、
そっと砂浜におちる。
私は、
すかさず、
頬に伝う涙を
そっとなぞった。
「ねえ、紫耀くん、」
紫「ん？」
「私のお話、
もう一度聞いてくれるかな、？」
紫「もちろん、
でも、
それは、
もしかしたら俺が言いたいことかも」
「なにそれ、」
紫「そのまんま、笑
これ違ってたら、
恥ずかしいな俺、笑」
「当ててみて、？
なんて私は言わないよ、」
だって、
自分の口で、
ちゃんと君に伝えたいからさ。
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作者名：嶺花 | 作成日時：2020年10月15日 1時
