君日記 (Ⅵ) (ページ31)

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「…じゃあ、

　私が先に見つけたいので、

　行きますね、、」

「ごめんね～ひきとめちゃって、

　気をつけるんだよ～」

優しく手をふるおばあちゃんに

軽く会釈をして

きゅっと口角をあげ、

私は再び駆け出した。

君探し、

するために。

1歩目は

思ってたよりも

重くて

やっと踏み出したと思えば

引き返そうかな、

とか

もし好きの返事が

よくなかったら、

残りの夏、

どう過ごしたらいいのかな、

そんなことばっか考えちゃう。

でも、

あいたい、

君が好き、

その思いは変わらなくて

むしろ、

強くなっちゃってるのかな、

そうも思うんだ。

足跡が増えるごとに

その足取りは、

なんだか軽くなっていくようで、

今なら飛んでいけそう。

ごちゃごちゃな頭の中で

見つめる先は

君がいそうな場所一点だけだし

思いのベクトルだって

その成分はそのままだ。

どうしても君が

好きだった、

でも、好きだ、

いつになったら

この思いとどまってくれるのかな、

とどまってほしくないな、

プラスと

マイナスの感情が

交差しまくっちゃって

そろそろ

その変曲点の在り処を失ってしまいそう。

この探し合いっこ、

いつになったら終わるのかな、

終わっちゃったらどうなるのかな、

まだわからないこれからを

勝手に予想しちゃう。

訳もわからず流れそうな涙を

ぐっとこらえ

必死に走った。