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私を抱きしめていた腕に急に力が入る。
紫「起きてる、？」
私はコクリと頷いた。
紫「海行かない？」
私はまた、コクリと頷いた。
その頭を優しく撫で、
起き上がったと思えば、
すぐに私の手を引いて
立ち上がらせてくれた。
紫「流石にこれじゃ外出ちゃだめ、」
そう言って、
紫耀くんのパーカーを
私に被せてくれる。
夏なのに、？
長袖は暑いよ、
なんて思ったけど、
暑いのは夏のせいじゃないね。
「ありがと、
でも、どうして？」
紫「流石に出しすぎ、笑」
そう言われて、
自分の服をみると、
確かにTシャツに短パンって
確かに短かったかな、
誰も見ないだろうに、
気にしてくれて嬉しいな、
君のパーカーは
ふんわり甘い香りがして、
大きくて、
両手もお尻もすっぽり隠れちゃった。
しっかり男の子だな、
また擽ったい気持ちになった。
紫「意外と似合ってる、」
なんて、
私の目を見ないで言ってくるから、
もしかして照れてる？
って言おうと思ったけど、
仕返しされそうだからやめておいた。
外に出ると、
夏の終わりを感じさせるような
寂しい冷たさを感じた。
「意外と寒いんだね、」
紫「そうだな〜
夏も終わっちゃうね」
「うん、」
紫耀くんの口から、
夏の終わりなんて聞きたくなかった。
君と会える夏が終わるって
まだ受け止めきれてないもん。
もしかしたら、
何かの拍子に、
このまま一緒にいられるかもしれないけど。
そんな奇跡、
あるわけないじゃんか。
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作者名：嶺花 | 作成日時：2020年10月15日 1時
