君日記 (Ⅵ) (ページ23)

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「もう一度が許されますように…」

なんとなく覚えていた

このフレーズを

口ずさんでみた。

「私って

　何回そのもう一度を

　願うんだろう、」

紫「俺だっていっぱい願うよ、」

「そうだよね、

　数えられないよね、

　って、

　えぇ！？

　紫耀くん、いつからいた！？」

紫「気づいたら会いに来てて

　そしたら

　なんか懐かしい歌聞こえるな～って」

「え、そっからいたの、？」

紫「いたよー笑

　その曲好きなんだね、」

「うん、好きだよ、」

廉「俺も好き、」

.....あ、

曲か、

そうだよね。

なんでドキってしちゃってるんだろ。

紫「聞きたい、？」

「いいの、？」

紫「でもね、

　
　今日、音楽プレーヤー持ってきてないや、」

「そうだよね、

　ごめんね、」

紫「こっちこそごめん、

　あ、とりあえず

　ラムネ買ってきたから

　飲もっか？」

「…うん！

　ありがとう！」

一緒に飲もう、

二人で飲もう、

そう思って買ってきてくれたであろう

2本の瓶は

青空を反射してる海みたいに

きれいだった。

紫「乾杯、」

その声と同時に

カラン、

となった涼しい音は

高く響いた。

紫「くーー、

　美味しいね」

「美味しい、」

紫「だいぶ涼しくなったなー」

「やめてよ、

　紫耀くんまで

　夏が終わりみたいなこと、

　言わないでよ、」

紫「え、？」

自分から出た言葉に

驚いてしまった。

夏が終わってほしくない、

そんな儚い願いを

君にぶつけるなんて

違う、

間違ってるのに、

叶わないとわかっているからこそ

悔しくて、

辛くて、

悲しくて....

つい言葉にしてしまった。

しかも、

あんな言い方しちゃった。

でも、そんなの言い訳だよね。