君日記 (Ⅵ) (ページ17)

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ふわふわ、夢の中。

真っ白な砂浜に

たった一人。

貝殻もない、

波も穏やか。

あれ、

いつか見た夢見たい。

その時みたいに

自分の手をフレームに見立てて

構えてみた。

またあの子に会える気がして...

誰かわかんないし

はっきり思い出せないけど

私の心に

ちょこんとのっかってる子。

少しすると

その子がふらっと現れた。

構えていた手に力が入る。

しっかりその子をとらえて

目を離せずにいたら、

あの時みたいに

私に気づいて

手を振ってくれる。

やっぱりあったことあったのかな、

私は君を知らないけど

君は私を知っているの、？

とりあえず、

名前だけでも、

そう思って、

息を吸った。

男の子に手を伸ばそうとした時、

あ、この手の形を崩しちゃったら

消えちゃうんだった。

そう思い出したのが、

遅すぎて、

もうとっくにその子はいなくなってた。

はあ…

またやっちゃった。

また来年じゃないと

あえないのかな。

夏が来なきゃあえないのかな。

もう、

待ちくたびれちゃったよ。

ただ消費するだけの夏なんて嫌いだ。

私は

ゆっくり浮かぶ雲を

ただぼんやり見つめた。

もう一度、

フレームをつくったら

君は現れてくれるのかな。

そう思い立ってすぐ、

さっきみたいに形作ってみた。

今度は絶対離さない。