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その後、
私たちは砂場に移動した。
紫「なあ、覚えてる？
ここに埋めたやつ」
廉「覚えとるで、
そのあと海に流したよな」
彩「そうそう！
届いてるかな、」
紫「届いてるよ、きっと」
廉「そーやな、」
「なにそれー、気になる、」
紫「きっと気づいてる、
それか、
きっと気づけるよ、」
何も浮かばないってことは、
まだ気づけてないのかな、
この夏が終わるまでに、
気づけるといいけど。
彩「願わなくても
またみんな揃って、
こうして過ごせるかな、」
紫「きっとね、
この幸せな夏を
おかわりしちゃいたい」
私だって離れなくない、
わかれたくない、
この夏をおかわりしたい、
手放したくない、
そう思って、
ぎゅっと右手を結んだ。
すると、君が、
その右手を優しく握りしめ、
もう片方の手でそっと撫でてくれた。
そんな君に、
甘えっぱなしでいいのかな、
でももう少しだけ、
ほんの少しだけ、
君の体温を感じていても
いいかな、
もう少しを
許してください。
廉「そろそろ帰りの時間やない？
この後雨降るらしいし、」
紫「みんなで送ってこ、A」
「申し訳ないよ、」
廉「俺最初からその気やったし」
紫「まだみんなも一緒にいたいでしょ？」
彩「あたりまえじゃん！」
海「よし、れっつごー！」
どんよりしてきた雲の隙間から
一生懸命に輝きを放つ
太陽みたいなみんなの背中に
そっと寄り添いながら歩く、
時々後ろを振り向いて
目を合わせてくれるたびに
胸がほかほかしてきちゃって
うまくこのドキドキ隠せてるかな、
って不安になったりもした。
はあ、着いちゃった。
あっという間に過ぎ去ってしまう、
大好きな時間。
みんなが少しでも長く、
って紡いでくれた時間ほど
愛おしいものはない。
でも、
その時間も終わりを告げようとしてくる。
海「じゃあまたね！」
彩「すぐ会いに来るよ」
廉「会いに来てくれてもええんやで笑」
紫「待たせないから待っててね」
「ありがとう、みんな、
じゃあ、またね、」
"「またね」 "
同時に
廉「次は独り占めさせろ」
そう耳元で囁き、
去っていった
今日も砂時計が
躊躇うことなく落ちきった。
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作者名：嶺花 | 作成日時：2020年10月15日 1時
