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彩「ねえねえ！
みんなで公園行かない？」
海「いいじゃん！行こ！」
廉「お腹いっぱいなんやけどー」
彩「いいじゃんいこっ！」
みんな元気だな〜
なんて呑気なこと考えてた私に
紫「行こ」
「、？
私、？」
紫「他にいないよ笑」
「行く！」
紫「はい、」
何度めなのかな、
こうやって君が手を差し出してくれるの、
あと何回なのかな、
君の体温を間近で感じられるの。
私は迷わず君の手を握り、
駆け出した。
公園までの道のりに
私達が花を咲かせてくみたいに
たくさんの笑顔を振りまきながら
向かっていった。
もうすっかり小さくなった遊具に
私たちは飛びついた。
列になって
順番に滑り台を滑ったり、
低くなったジャングルジムを
簡単に登っちゃう男の子三人を見たり、
賑やかな時間が続いた。
しばらくして、
彩ちゃんに誘われて
ブランコに腰掛けてみた。
この間と同じ感触と
金属の擦れ合う音に
なんだが胸がジーンとあつくなった。
彩「Aちゃん、」
「どしたの、？」
彩「あの夏が終わってから、
夏が来るたびに
また会えるかなって
ウキウキしてたんだ、
私だけじゃなくて、
紫耀も廉も、
だからさ、
もう聞き飽きちゃったかもしれないけど、
またあえて嬉しい、
ありがとう、」
「彩ちゃん、、」
彩「お互いまだ小さかったけど
人を好きになるって、
こんなにも幸せで
どきどきして、
でも余裕なくて、
辛いってこと
知った夏だったよね、」
「私、
会えなくなってから、
やっと好きってことに気づいたの、
またね って言葉が
こんなにも焦れったいって
初めて知ったよ、」
彩「なんか恥ずかしいね、笑」
「そだね、笑」
彩「でも、
こういうこと話せるの
嬉しい、」
「私も、」
いろんな言葉をつかまえて、
自分の思いを形作って、
空がこぼした欠片みたいな、
儚く消えてしまいそうで、
でもしっかり目に見えて、
いつまでも心に刻まれていく、
そんな言葉を
この夏に、
大好きな人に、
届けなきゃ。
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作者名：嶺花 | 作成日時：2020年10月15日 1時
