君日記 (Ⅵ) (ページ12)

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紫「素直じゃないな～」

少し上から笑ってくるから

その意地悪な口角に

胸の奥がドキッと鳴った。

そんで

結局は近づけられたの

美味しく食べちゃったし…

私ばっかりドキドキさせられて

本当にずるい。

はあ、

そう小さくため息をついて

顔を上げたら

あ、、

廉「みんなし、」

「ふぇ、？」

廉「見せびらかすなって、」

「え、？」

廉「はよ食べーや」

「はい、、」

少しだけ不機嫌な廉くん。

黙ってもぐもぐしてるの、

かわいい、

妬いてたの、？って思うと

なおさらかわいいじゃん。

同時に、

海「紫耀ー！

　一口もとれなかったー！」

と言いながら

紫耀くんのそばにかけてきた海人くん。

でも紫耀くんは、

紫「そっかー残念」

と言って、

美味しそうに食べちゃってる。

海「俺には食べさせてくれないのー？」

紫「頼む相手間違ってる笑」

海「Aちゃんだけかよー！笑」

紫「そうだよ」

にこにこ海人くんと

少しだけ塩な紫耀くんをみて

るんるん気分だったのに、

その一言で

私の体温は急激に上昇して

はじけちゃったよね。

私だけ、

贅沢すぎる言葉だけど、

まだ紫耀くんの本心がわからない。

聞きたいけどききたくない。

踏み込みたいけど、

踏み込めない。

何でもかんでも

波がかっさらってくれるといいのに。

"「ごちそうさまでした！」"

気づいたら、

寂しい挨拶が響いていた。

あと少ししか時間がないのに、

このまま、

ただ消費するように

過ごしちゃっていいのかな。

夏を素通りしちゃってる気がして、

もったいなくて、

できることなら、

ぎゅっと掴んで離したくない。