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変わっていくものを知る分、
変わらないものを思い出すと
心が潤されて。
最後の一つは決まってはんぶんこの私たちは
幸せなんて言葉じゃ表せないくらいぴったりで。
好きって思いは
柔らかい音を奏でながら積み重なっていて。
空っぽになったお皿は
また二人で片付けて、
お風呂を済ませたあと
私の髪を乾かしながら彼がつぶやいた。
飛「ずっと思ってたんだけどさ」
「うん」
飛「あれって遠足のときの？」
「あのキャンドル？」
飛「そう」
「よく覚えてるね」
飛「超頑張って作ってたじゃん、A」
「できるまで待っててくれたよね、あのとき」
飛「そりゃ待つだろ」
ありがとって彼を見ると
懐かしんでいるようで、
少し照れくさそうで、
口角は反射的にあがった。
「ねえつけてみない？」
飛「いいの？」
「もちろん」
飛「大切にしてたんじゃないの？」
「そりゃ大切だけど
つけるなら、飛貴と一緒がいいから」
そう、ちょっと強引にお願いしたのには
ちゃんと理由があった。
いざ火を灯してみると
その部屋は微睡むような静寂に包まれる。
規則的でも
不規則的でもない
気まぐれのような炎に
ついうっとりしてしまう。
飛「なんかめっちゃいいにおい」
「お花だね」
飛「好きだな〜花」
「好きだよ」
ほんの一瞬だけ、
炎が小さくなったのは
私の気のせい。
すぐに大きくなった炎に安心して
飛貴の方を見ると
私に背を向けて何かしている。
「飛貴？」
飛「みて、オオカミ」
「それ、犬でしょ笑」
飛「じゃあこれは？」
「うさぎ！」
飛「簡単すぎたか」
「じゃあ、
これ！」
飛「鳥」
「ペンギン、笑」
飛「じゃあこれは？」
って続いていく影遊び。
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作者名：嶺花 | 作成日時：2021年4月29日 12時
