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「あ、ねえ飛貴！
連絡先、教えてよ」
飛「ん？いいよもちろん」
「また連絡できなくなるの、
寂しいし、嫌だからさ」
飛「そうだよね、ごめんね。あのとき」
「ううん、謝らないで、
またあえて嬉しいし！」
飛「俺も」
スマートフォンを近づけるのすら
すこし照れくさいのは、
きっと久しぶりにあったからかな。
思い出す飛貴の匂いを感じるたびに
胸がこんなにも高鳴るなんて初めてで
自分でも戸惑った。
だけど、
お互い、変わってないねって
安心したようにみえて
変わったところを知るのが少しだけこわいのは
私だけかな。
なんて言いながらも
このときから少しずつ、
心の種に水やりをし始めていたのかもしれない。
飛「Aはひとり暮らし？」
「うん、飛貴は？」
飛「俺も。来る？」
「え？」
飛「みせたいの！だから来て〜！」
「女の子みたいなこと
言わないの〜笑」
飛「誰が女の子じゃ！」
ほら行くよ？と言ってひかれた右手は
ぽかぽかしていた。
他の男の子にこんな事言われたら
必死に拒むんだろうけど、
飛貴だから、特別なんだ。
飛貴も、そうかな、
大学からわりと近い飛貴の家は
高級感のあふれる住宅街に立地していた。
ロックを解除して
先に私を中に入れてくれる。
玄関から黒で統一されている部屋は
私の知っている男の子の部屋ではなく、
男性、の部屋だった。
部屋の中を進んでいく度に加速するのは
胸の鼓動だけではなかった気がする。
まず、目にとまったのは
香水やアクセサリーが綺麗に飾られてある棚。
香水とか使うんだ…と胸がざわついた。
と、同時に
まだ覚えている飛貴の匂いが薄れるのは
寂しいな、なんて
重いことまで考えてしまって困る。
そっと腰掛けたソファは
家のよりもふかふかで
あの日々を身体が勝手に思い浮かべてしまう。
そして、つい目を閉じてしまった。
このまま嫌なこと、全部忘れたいなと
呑気なことを考えていると
飛「A、なんか飲む？」
と呼びかけられた声は
遠くに聞こえていた。
飛「いくら幼馴染だからって
無防備すぎ、」
っていう声も。
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嶺花(プロフ) - 涼杜兄妹さん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて幸いです！これからも涼杜兄妹様の毎日を少しでも彩れるような作品を更新できるようにがんばります。引き続き、花ことばをよろしくお願いいたします。 (2021年3月2日 6時) (
レス) id: 0b548f27c5 (このIDを非表示/違反報告)
涼杜兄妹(プロフ) - お待ちしておりましたー！！楽しみにしております！ (2021年3月1日 22時) (レス) id: a89c13a921 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：嶺花 | 作成日時：2021年3月1日 21時
