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飛「そのまま歩くわけには行かないだろ、」
「あ、ありがと、」
飛「プリント貰いに行こ？」
「え？」
飛「え？ばっかりだな〜笑
困るっしょ？そのプリントなかったら」
飛貴にパーカーを着させてもらいながら、
そんな会話をしていた。
ずっと会えていなかったのに近すぎる心の距離。
通じ合っていると実感できる胸の内。
そして、再び動き出しそうな感情。
小さな心に大きく轟いた高鳴り。
私は、前を向けそうな気がして嬉しくなった。
飛貴の、
大きくてお尻まですっぽり隠れるパーカーは
少しだけ恥ずかしかったが、
なんとなく懐かしさを彷彿させる香りに
心をまるごと包まれたみたいだった。
薄いロンTだけ着ている飛貴は
服の上からでも、
なんとなく筋肉の盛りあがりがわかる。
まだまだ子供なのは、私だけかも、と
しんどくなった。
言われるがまま、
飛貴の少し後ろ歩く。
リードしてくれる背中は、
大きくて頼もしい。
そのまま、
無事、教授に会い、
汚してしまった資料を受け取ることができた。
「ありがと！飛貴」
飛「気にすんな」
優しい眼差しは
水平線から顔を出す朝日よりも穏やかで。
そんな光の中にある、
器用さや頼もしさは
あの頃と変わっていなくて。
でも昔と比べることで、
飛貴の好きなところは
時の経過を示すと同時に
彼が大人になった証みたいで
形のない冷たさを感じてしまう。
飛「どうした？」
「ん？」
飛「なんか元気なくない？」
「いや、いつもこんな感じだよ」
飛「そーなんだ、」
ぼーっとしてしまうことが増えた私の頬を
飛貴が指先で触れてくる。
その無邪気な笑顔に
思わず笑ってしまう。
飛「怒んないの？笑」
「え？なにを？」
飛「昔、ほっぺ触ると怒ってたじゃん」
「えーそうだっけ笑」
飛「そうそれ、
笑った方がいいよ、Aは」
「え、」
飛「安心するし、好きだもん
Aが笑ってるとこ」
好きにはいろんな種類があるせいで
今の好きはどんな味なのか分からない。
だけど、そーいう励まし方、
昔と変わってなくて、好き。
笑顔が伝染する感じ。
すごく好きだよ。
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嶺花(プロフ) - 涼杜兄妹さん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて幸いです！これからも涼杜兄妹様の毎日を少しでも彩れるような作品を更新できるようにがんばります。引き続き、花ことばをよろしくお願いいたします。 (2021年3月2日 6時) (
レス) id: 0b548f27c5 (このIDを非表示/違反報告)
涼杜兄妹(プロフ) - お待ちしておりましたー！！楽しみにしております！ (2021年3月1日 22時) (レス) id: a89c13a921 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：嶺花 | 作成日時：2021年3月1日 21時
