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広い学食で響いてしまった私達の声。
慌てて二人で、
口元に人差し指を当てて笑い合う。
その彼は、
幼い頃に離れ離れになってしまった
幼馴染の飛貴だった。
「え、飛貴？」
飛「A？」
「え、なんでここに？」
飛「なんでって、
俺ここの法学部」
「私は、看護学部……」
飛「そっかそっか、すげえな！
つーか、全く変わんないね、笑」
「飛貴こそ」
飛「久しぶり」
「うん、久しぶり」
ずっと止まっていた針が
急に動き出したみたいだった。
ずっと蓋をして、
押し込んでいた思いが
音をたてて、勢い良く零れたみたいだった。
星屑が空から零れ落ちたように。
花びらが一枚一枚空を舞うように。
蒲公英の綿毛が自由に飛び交うみたいに。
飛貴は、ただの幼馴染ではない。
小さな心で確かに感じた胸の煌めきは
好きという感情を私に教えてくれていた。
本当に大好きだった。
だから
突然のお別れに
心だけはついていくことができず、
ずっと彷徨っていたような気がする。
無理やり蓋をして
気づかないふりをして、
ずっと胸にしまっておいた恋心。
もしかしたら、もうすでに、
心のどこかにある、あの時の高鳴りの余韻を
探し始めてしまっているかもしれない。
10年以上離れていた時間を埋めたいと思った。
でもそれは、同時に
あの人でぽっかりあいた隙間を
飛貴で埋めようとしている、
そんな醜い自分が存在していることを
許してしまっているみたいで。
それだけは避けたかった。
でもそんな葛藤を
今だけは忘れようと思い、
口角を上げ直して
飛貴を見上げる。
飛「相変わらずちっちゃいね笑」
「相変わらずってなに！
5歳まで同じくらいだったじゃん！」
飛「……だって言ってみたかったんだもん
そーいう台詞」
「飛貴はまだまだ子供だね」
飛「自分だけ大人になった気になるなー
おいてくなーー」
「だって私、コーヒー飲めるし」
飛「その割には手付かずだったくせに」
「うるさい！」
飛「まずさ、これ着ろよ」
「え？」
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嶺花(プロフ) - 涼杜兄妹さん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて幸いです！これからも涼杜兄妹様の毎日を少しでも彩れるような作品を更新できるようにがんばります。引き続き、花ことばをよろしくお願いいたします。 (2021年3月2日 6時) (
レス) id: 0b548f27c5 (このIDを非表示/違反報告)
涼杜兄妹(プロフ) - お待ちしておりましたー！！楽しみにしております！ (2021年3月1日 22時) (レス) id: a89c13a921 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：嶺花 | 作成日時：2021年3月1日 21時
