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もし今、隣に飛貴がいなかったら
切なさだけが映し出される秋空の下
私はどんな顔をしていたんだろう、と
浮かんだ疑問を紅葉にのせていった。
きっとすぐに落ちていくんだろうけど、
飛「綺麗」
「うん、すごく綺麗
風も気持ちいいね」
語尾にかぶせて、飛貴の方を見ると
シャッター音が鳴り響いた。
「え、撮った？、」
飛「撮ってない」
「嘘じゃん！私も撮る」
飛「だめ」
なんて言いながら、
取り出していたスマートフォンを内カメラにして
頭を寄せてくる。
その流れで再びなったシャッター音に
笑顔を作り忘れてしまっていたことを気付かされる。
飛「変な顔、笑」
「だって急なんだもん、いっつも」
飛「じゃあもう一回ね」
再び画面に映った飛貴は
くしゃくしゃな笑顔をしていた。
だから私も、同じように笑って映った。
その写真が保存されたフォルダを見ると、
「「似てるー！！」」という声が重なった。
「一緒にいたら顔も似てくるの？、笑」
飛「だって俺らだもん、」
「そうかもね、」
一瞬揺れた瞳を誤魔化すように
再び笑ってみせた飛貴は、
突然、自分のおでこを私のおでこに重ねてきた。
飛「ずっとこうしてたい」
っていう甘すぎる言葉に、
私も、と小さく答えた。
ドキドキさせられすぎて、なんか悔しくなり
次は私がドキドキさせるんだって
心に決めたきっかけがそれだった。
息を呑むほど美しい景色を
しっかり目に焼き付けたあと、
降りた駅で真っ先に目に飛び込んできたのは
お団子屋さん。
飛貴も同じだったらしく、
すぐに一緒にその列に並んだ。
「飛貴は何味がいい？」
飛「え、全部」
「やばー笑」
飛「私も全部食べたい！って顔してたじゃん」
「バレたか、笑」
結局6種類あった味を、一本ずつ全部買った。
「「いただきます！！」」
格好に合わない、
子供っぽい声を出してしまったことを
恥ずかしいと思いながらも、一口。
飛貴は、私が食べたのを見たあとに
大きな口を開けて、自分のを食べていた。
誰かさんと一緒、みたいだね……
遠くを眺めそうになる私に、
飛「美味しい？」
っていう声が目の前に引き戻してくれた。
「美味しいよ、食べる？」
飛「うん！」
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嶺花(プロフ) - 涼杜兄妹さん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて幸いです！これからも涼杜兄妹様の毎日を少しでも彩れるような作品を更新できるようにがんばります。引き続き、花ことばをよろしくお願いいたします。 (2021年3月2日 6時) (
レス) id: 0b548f27c5 (このIDを非表示/違反報告)
涼杜兄妹(プロフ) - お待ちしておりましたー！！楽しみにしております！ (2021年3月1日 22時) (レス) id: a89c13a921 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：嶺花 | 作成日時：2021年3月1日 21時
