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当たり前だけど、
私はすぐに
たっちされてしまった。
砂浜は熱くて走りにくい。
だけど、ついた足跡は
誰よりも輝いていた気がする。
たとえ、波に連れ去られても
決して色褪せないのは
こんな素敵なシーンだけではなかった。
海に来ていた誰よりも
一番広く砂浜を使って
追い、追いかけられ、
いつかの恋のような遊びを
子供のように楽しんだ。
空から照りつける太陽は
眩しいけど
海の水の近くに行くと
ひんやりして気持ちいい。
だから、気づいたら私達は
水をかけあっていた。
ぱしゃぱしゃとあがる水飛沫が爽やかで
宝石みたいに輝いていて。
服や髪が濡れてしまうことなんて
気にならなかった。
甘い泡に、
私の捨てきれない想いを弾けさせて
ずっと遠くの海まで運んでもらいたい。
もう、どこにも届かない気持ちをもつのは
今日で最後にして
これから見る景色は、全部
飛貴とのものになるといいな。
濡れた裾を絞ろうと
下を向いたとき、
頭に大きなタオルを被せられた。
そのまま、わしゃわしゃされ、
パッとそのタオルを外されたとき、
飛「ごめん、ぼさぼさだ笑」
「もーーー」
飛「ごめんね？」
心配そうに、
私の髪の毛を一生懸命手でとかしてくれる。
「うそ、冗談だよ
ありがとね」
そう言うと、
すぐにホッとしたような
曇りのない純粋な笑顔を見せてくれる。
その笑顔こそ、
恋の結末を教えてくれているみたいに
赤く染まっていた。
乱れた前髪の直そうと
手を伸ばしたとき、
飛貴の手と触れてしまった。
はっとして飛貴の顔を見たけど
その視線は私に向いておらず、
もっと遠くを静かな目で眺めていた。
触れただけの手が熱かった。
その手をぎゅっと握ると、
飛「なんで、あの日、
海に行ったか分かる？」
「あの日って、小さいときの？」
飛「そう、」
「暑かったから、とか？」
飛「ううん」
「夏の思い出づくり？」
飛「ううん、」
「えーわかんない、」
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嶺花(プロフ) - 涼杜兄妹さん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて幸いです！これからも涼杜兄妹様の毎日を少しでも彩れるような作品を更新できるようにがんばります。引き続き、花ことばをよろしくお願いいたします。 (2021年3月2日 6時) (
レス) id: 0b548f27c5 (このIDを非表示/違反報告)
涼杜兄妹(プロフ) - お待ちしておりましたー！！楽しみにしております！ (2021年3月1日 22時) (レス) id: a89c13a921 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：嶺花 | 作成日時：2021年3月1日 21時
