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「私、ここだから」
『うん、頑張って
そうだ、名前』
「あ、えっとAです」
『俺は西野』
それだけ聞いて
すぐにホームに足を踏み入れる。
振り返ったけど
すぐに人混みにのまれ、
西野くんがどんな顔をしていたかは
知らないままになってしまった。
それからというもの、
私たちは少しずつ
新しい表情を見せ始める。
夏から秋に匂いが変わったと同時に
西野くんも私も
冬服にかわる。
『意外と似合ってるじゃん、』
「西野くんこそ。」
なんて会話をしたような。
『あ、これ。俺好きなやつ』
そう言って渡してくれた缶ジュースで
お疲れ様、って乾杯をしたり。
目があったとき、
変顔しあう、なんてこともあった。
木の葉が色づくように
私の毎日も彩られていく。
そして、その葉が
ひらひら落ちていったかと思えば、
閑静な夜空から舞い降りたのは
純白な輝き。
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作成日時：2021年2月14日 23時
