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ある日の帰り。
電車の時間はギリギリで
走って階段を下る。
息をきらしながら
駆け込んだ車内は、
意外にも空いている。
少しくらい、座っても大丈夫かな。
乱れた呼吸を整えながら
座席に足を運ぶ。
端っこの席を選べば、
もたれかかって
そのまま寝てしまうだろうと思い、
私は真ん中くらいに腰掛けた。
今日の朝の電車で見ることができなかった、
君の姿を探す。
…あ、いた。
いつも以上に着崩れた制服から見える
こんがり焼けた肌の色。
前髪を適当にかきあげるしぐさ。
窓の外を眺めるきれいな横顔と
凛とした佇まい。
暗い外を背景にした君は
真夜中みたいだった。
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作成日時：2021年2月14日 23時
