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濃くも薄くもならない毎日の中で、
一気に糖度を増す出来事があった。
バスケ部のマネージャーをしている私は、
いつも帰りの電車で
どっと疲れが襲ってくる。
最後の大会を控えているバスケ部は、
いつも何倍も練習に熱が入っている。
だから、差し入れの用意や準備、
片付けや洗濯に加え、
朝早くから体育館で練習、
部活後の自主練の手伝いをするまでが
私のマネージャーとしての毎日になっていた。
そのため、
帰りの電車では急な睡魔に襲われがちだ。
何度か乗り過ごしそうになっているので
席が空いていても座ることなく、
ドア付近にもたれかかることが多かった。
まだ名前を知らない君との
ほんの数十分の時間は、
睡魔との格闘で無駄に消費されていた。
でも確かに
心を潤してくれるのは
君だったと思いたい。
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作成日時：2021年2月14日 23時
