甘さが、罪。 (ページ21)

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でも、楽しかった分
その後の一人の寂しさは倍増してしまうもので
重さを背負ったまま、
薄暗い空の下を歩いた。

ホームは
冷たさを残したままふく風で溢れていて、
体が震える。

ぬくもりが恋しくなるのは
私の心の隙間が埋まらないからか、
それとも
ただ、冬だからってだけか。

そんな問いかけだって
すぐに空気にまぎれてしまうんだ。

電車のドアが開く。

問いすらも溶かした空気に
自ら混ざりこむように
足を踏み入れた。

案外空いていたのは
ホームだけじゃなくて、
今日は席に座れそうだな。

私は、あの日腰掛けた場所と
同じところに座った。

もしかしたら、の偶然を待っていた。

君が私を見つけてくれないかな。

それか、
駆け込んでくれないかなって。

私は、電車のドアが締まりきるのを見届けるか
葛藤していた。

これが閉まってしまえば、
もう君に会えないんだって事実を
受け止めるのを拒んだ。

締まりかけたドアの隙間から
誰かが勢い良く飛び込んでくるのが見えた。