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あの本の語り口調好きだったかな、
あの展開には驚いたかな、
あの結末に感動したかな。
そんなことを考えて、
数日経った。
ある日の休み時間。
私が自分の席に座って
ノートを書いているとき、
君はその机の前にしゃがみこみ、
ひょっこり顔を出した。
『ねえ、これありがとね?』
「あ、うん、」
突然目の前に現れた、
小動物のようなキュルンとした目で
私を見つめてくる君に
ぎこちなく笑うことしかできない私。
『じゃあまたね、』
そう言って、
ペンを握る私の手に
そっと触れていく。
その後の授業の内容を入れるスペースが
私の頭に残されていなかったのは、
君のせいだよ。
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作者名:嶺花 | 作成日時:2021年1月26日 18時