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その二日後、
私は友人と出かけることになったので
待ち合わせ場所の木の下で待っていた。
" もうすぐ着く！ "
という友人からのメッセージを確認した私は、
あたりを見渡していると、
胸をきゅっと締め付ける
後ろ姿をみつけた。
……紫耀さんだった。
私は、
「紫耀さん！」
と声を出したが、
その声は人混みにのまれてしまい、
届かなかった。
というか、
届かなくて当たり前だった。
なぜなら、
紫耀さんの視線の先には
すごくきれいで上品な女性がいたから。
紫耀さんは、
その女性のことを
私の知らない笑顔で見つめ、
私が知るはずのない温度で
肩を並べていた。
その隣を堂々と歩く女性は
きっと、私の知らない紫耀さんの横顔を
知っているみたいだった。
夏休みが明け、
教室に入ると、
以前までの華やかさは
これっぽっちもなかった。
ほとんどの生徒が机に向かっている中、
私もそれにならって
勉強にとりかかっていた。
静かな空気だからこそ目立つ、
女子のひそひそ話が無理やり耳に入って来る。
「………お花屋さん知ってるー？」
「もちろん！あの超イケメンいるとこでしょ」
私はその話を
手を止めずには聞いていられなかった。
私の知っている紫耀さんは、
みんなが知っている紫耀さん程度なのかな。
私しか知らない一面だって
きっとあるよね。
そうやって自分を励まそうとしたが、
それすらもちょっと悲しくなってしまうのは
あの女性を見てしまったから。
「わかる！
でもさ、結婚しちゃうんだって」
「えー嘘でしょ
悲しいんだけど」
……え？結婚？
私は、
目の焦点を合わせられず、
今にも溢れそうな涙を堪えて
すぐに席をたった。
きっと何かの間違いだ、
これはきっと夢だよ、夢。
そう言い聞かせていたはずなのに
もう私のものにはなれっこない、
嫌だ、
寂しい、辛い、
マイナスな感情ばかりうずめく。
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椿茜(プロフ) - 名前変換が出来ていないので、確認と訂正の方よろしくお願い致します。 (2021年3月3日 8時) (
レス) id: ffddcc42e3 (このIDを非表示/違反報告)
椿茜(プロフ) - 初めまして。楽しく読ませていただいていたのですが、5月のページのところに出てくる奈々葉でしたっけ？誰ですか？ってなってしまいました。 (2021年3月3日 8時) (レス) id: ffddcc42e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：嶺花 | 作成日時：2021年1月15日 20時
