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空と海の境目が分からないほど
一面が紺碧色の世界を写真におさめようと
スマートフォンを取り出し
カメラをひらく。
カシャ、という音が綺麗に響く。
すぐにとった写真を確認しようとすると
「ねえひま？」
とふたり組の男性が話しかけてきた。
私は顔を上げないまま、
「人待ってます、」
というと、
私の顔を覗き込みながら
「え…かわいいじゃん」
ともう一人の男性が言う。
そのチャラさが怖くて
すぐに立ち去ろうとすると
「おい、行くなよ」と腕を掴まれる。
やめてください、と言おうとしても
うまく言葉が出てこない。
怒らせるのも怖いし、
かと言って腕を振り払う勇気もない。
恐怖を感じると
人は何もできなくなると言うけど
本当なんだな。
怖い、助けて、
こんな事なら紫耀さんに
ついていけばよかった。
ガクガク震える足になんとか力を入れ
その男性とは違う方向に逃げようとした時、
「俺の女に触んな」
とその男性の腕を強く掴む
見慣れた手が視界に入る。
「痛えよ、
何だお前」
声を荒げた男性は、
すぐに私の手を離した。
解放された途端、
すぐに私の肩を自分の方にグッと寄せ、
紫「いい女だろ？笑」
と不適に笑っている。
綺麗すぎるルックスと
闇深い瞳、
盛り上がった筋肉を持つ紫耀さんは
私が初めて見る紫耀さんだった。
その様子に、
二人の男性は舌打ちをして逃げていった。
紫「大丈夫だった？
ごめんね、
女の子一人にさせた俺のせいだ、」
その甘い声と柔らかい手が
私をそっと包んだとき、
幻を見た、という感覚が
分かったような気がした。
「私の方こそ、すみません、
でも、ありがとうございました、」
紫「ううん、怖かったね、ごめんね」
甘い声と
優しく頭を撫でられたことで
なんとなく強がっていたような部分が解けて
思わず涙がこぼれた。
紫「泣くな泣くなー、笑
さあ、車に戻ろっか」
私の頭にのっていた柔らかい手は
頬に伝った涙をそっと掬う。
そして、
優しい体温が肩に触れ、
そのまま歩き出した。
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椿茜(プロフ) - 名前変換が出来ていないので、確認と訂正の方よろしくお願い致します。 (2021年3月3日 8時) (
レス) id: ffddcc42e3 (このIDを非表示/違反報告)
椿茜(プロフ) - 初めまして。楽しく読ませていただいていたのですが、5月のページのところに出てくる奈々葉でしたっけ？誰ですか？ってなってしまいました。 (2021年3月3日 8時) (レス) id: ffddcc42e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：嶺花 | 作成日時：2021年1月15日 20時
