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車を降りるときも
ドアを開けてくれる紫耀さんは
本当に王子様にしか見えなくて困った。
砂浜にいざ一歩、足を踏み入れると
そのあつさに二人で笑い合った。
少し前を歩く紫耀さんの
男らしい背中に、
つい見惚れていると
紫「ちょっと前歩いて？」
と言われる。
「え、なんでですか？」
紫「いいから、」
何かを企んだような笑みを
浮かべたかと思えば、
私の影を軽く踏んで
海に向かって走り出した。
「あ、ちょっと待ってください、！」
急いで私も後を追う。
やっと追いついた紫耀さんの影を
そっと踏んで、
私も
「タッチ！」
と声を出した。
いつか見た夢のような時間。
そんなやりとりを
数回繰り返しているうちに
気づいたら海についていて、
気づけば水をかけあっていた。
やっぱ大人になるふりなんて
私にはできない、
と潔く諦め、
二人ではしゃぎまわる姿は
周りにどう見えていたかな。
…恋人どうしに見えたりしないかな。
息が上がるくらい
一気に遊び回った私達は
同時に砂浜に寝転んだ。
そして、自分たちが映るくらい
透明度の高い青空に
今日の運勢を問う。
" 今日は快晴だよ " と
言ってくれていたように思える空に
" 私、頑張るね " と誓い、
一度目を閉じた。
紫「なあ」
仰向けで寝ていたはずの紫耀さんの声が
耳元で聞こえ、
すぐに目を開ける。
「はい？」
と声のする方を向こうとしたけど
顔が近くなりそうだったのでやめた。
紫「本当にこれでよかった？ご褒美」
「はい！もちろんです！」
紫「そっか、なら良かった」
「私、夏の海がすごい好きなんです
紫耀さんは、夏、好きですか？」
紫「うん、好き、いちばん。
Aちゃんがは？」
「私も一番好きです」
貴方が。
と心の中だけで呟いたのは
やっぱり離れるのを恐れていたから
かもしれない。
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椿茜(プロフ) - 名前変換が出来ていないので、確認と訂正の方よろしくお願い致します。 (2021年3月3日 8時) (
レス) id: ffddcc42e3 (このIDを非表示/違反報告)
椿茜(プロフ) - 初めまして。楽しく読ませていただいていたのですが、5月のページのところに出てくる奈々葉でしたっけ？誰ですか？ってなってしまいました。 (2021年3月3日 8時) (レス) id: ffddcc42e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：嶺花 | 作成日時：2021年1月15日 20時
