. ページ34
.
出口付近に溜まっていた何かが
一気に解き放たれたような
開放感を味わいながら
詳しい成績が載っている欄に
目をやった。
すぐにスマートフォンのカメラロールを
遡って、
前回の結果の用紙の写真を出し
照らし合わせた。
………やった、あがってる、
約束していた理数科目、
そして、地理B、
すべてランクが1つか2つあがっていた。
紫「すごいじゃん！
よく頑張った」
反射的に私の頭を強く撫でる
温かいて手。
ボサボサにしちゃった、ごめんね、
と照れ笑いをする紫耀さんをみて
大丈夫ですよ、と
同じ温度で笑った。
「紫耀さんのおかげですよ、
やっと成績上がりました、」
思わず泣きそうになって
震えてしまった声を
そっと支えるように
紫「辛かったのに、よく頑張ったね」
と背中をさすってくれた。
「ありがとうございます、」
失い掛けていた道筋を
こっちだよって
もう一度照らしてくれるのは
やっぱり紫耀さんしかいないな、と
改めて実感した一時だった。
紫「よし、じゃあ来週
ドライブも兼ねて、海、行こっか」
「はい！」
話を聞くと
その日はちょうど花の取り寄せのために
遠くの街に行く予定だったらしい。
紫耀さんにとって
初めての場所だから
ついてきてほしかったんだよね、と
無邪気な顔で言われたときは
今までで一番
心が弾んだと言っても
過言ではない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 135人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
椿茜(プロフ) - 名前変換が出来ていないので、確認と訂正の方よろしくお願い致します。 (2021年3月3日 8時) (
レス) id: ffddcc42e3 (このIDを非表示/違反報告)
椿茜(プロフ) - 初めまして。楽しく読ませていただいていたのですが、5月のページのところに出てくる奈々葉でしたっけ？誰ですか？ってなってしまいました。 (2021年3月3日 8時) (レス) id: ffddcc42e3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：嶺花 | 作成日時：2021年1月15日 20時
