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私は、
中でも一番魅力を感じた
胡蝶蘭を眺めていた。
その控えめな美に目を奪われ、
ポケットに入れていた
スマートフォンを取り出し、
カメラを開くと、
それらの花の良い匂いにのって、
「胡蝶蘭の花言葉は、
" 清純、幸福が飛んでくる " なんですよ。
春という季節にぴったりですね」
という台詞。
その声と話し方が
私の心をつついたかと思えば、
すぐに掴んで離さない。
........あの男性の声、？
一瞬にして固まってしまった世界。
奇跡が咲いたような数秒間だった。
私は、
なんとなく顔を上げる勇気がでなくて
胡蝶蘭から目線をずらせずにいると
「あ、ごめんね。
びっくりさせちゃったよね、
でも、
あんまりにもキラキラした目で
胡蝶蘭見てたから、」
繰り返される柔らかい声。
「あ、いや、
とっても綺麗だなって思って、」
ほんの少しだけでた勇気を全部使って
顔を上げると、
その男性の、
なんの穢もない、
純粋な光を放つ瞳に
吸い込まれそうになった。
私がたった一日にして
脳内で勝手に作り上げていた像と
その男性は、ぴったり重なったみたいだった。
まるで
艱苦や悲哀を全部経験したことのあるような
真っ直ぐすぎる優しさや、
その背中についていけば大丈夫だという
大人の余裕と雰囲気を兼ね備えたその男性に
一瞬にして心を奪われていく感覚を
生まれて初めて経験した。
それは、
ずっと目を凝らして探していたような
雲の上の存在な気もする。
一瞬にして絡み合った思いの行き先を
必死に探しているとき、
「ありがとう！嬉しいよ
あ、もしよかったら
他のお花も見てみない？」
目の前の陽だまりのような笑顔と
大好きな声。
「え、あ、ありがとうございます、
でも、また今度来ますね、」
何度でもおかわりしたくなる
こんなシチュエーションを
大切にしようと思い、
また今度、という言葉で
さりげなく約束を交した気持ちになった。
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椿茜(プロフ) - 名前変換が出来ていないので、確認と訂正の方よろしくお願い致します。 (2021年3月3日 8時) (
レス) id: ffddcc42e3 (このIDを非表示/違反報告)
椿茜(プロフ) - 初めまして。楽しく読ませていただいていたのですが、5月のページのところに出てくる奈々葉でしたっけ？誰ですか？ってなってしまいました。 (2021年3月3日 8時) (レス) id: ffddcc42e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：嶺花 | 作成日時：2021年1月15日 20時
