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紫「苦手な教科は？」
「全部、笑」
紫「嘘つけー
じゃあ、今から何の勉強
しようとしてたの？」
「前回の模試の
数学の解き直しです」
紫「ちょっと見せて？」
私は、
完全に紫耀さんのペースに飲まれ
問題をぱらぱらめくっている
紫耀さんの手元を
一生懸命、目でおっていた。
紫「この印ついてるところが
難しかったところ？」
「あ、それは私が
試験中に悩んだ問題で
こっちの赤い丸が
間違えた印です」
紫「なるほどね、
ちゃんと自己分析してて偉いね
尊敬するよ」
「あ、ありがとうございます、」
紫「えっとね、この問題はさ」
そう言いながら、
シャーペンとルーズリーフを取り出し
ぐっと近づいてきた。
いつもなら花と一緒に香ってくる匂いが
ダイレクトに私を包んでくる。
思わず固まってしまっていた私の鼻を
指先でちょんとつついて
紫「聞いてる？笑」
「あ、ごめんなさい、」
紫「いくよ？
まず、こういう問題は
問題文に解法の手がかりがあるから
要注意ね」
「はい、」
お花屋さんで見る姿とは全く違う、
もう一人の紫耀さんに出会っているような
気分になった。
明るくて甘い感じとは反対に
天井の高い宮殿に響き渡るような
落ち着きがあって、芯の通った声。
もう一人の紫耀さんを
もう見つけた気がした。
問題用紙に残された、
私の解答をみながら
紫「ここで躓いちゃったのか、」
「はい、
正弦と余弦の値の大小関係って
やっぱ具体的な数字いれないと
求められないんですか？」
紫「それに限らず、
数学はそんな問題多いかもね、」
「ですよね、」
紫「あ、でもこれは
A=B=C=60°って考えれば一発。
符号混ざらないから」
そう言いながら、
図をかいてくれたり、
ポイントになるところには
印をつけてくれた。
先生とは違った考え方や見方を
丁寧に説明してくれる。
多角的な視点で
一つの問に対して
たくさんの解法を思い浮かべ、
私にあったやり方を
習得するまで教えてくれる。
私の先生が、
紫耀さんだったらな、
という一瞬浮かんだ願いを
すぐに吹き飛ばして
頑張って問題だけに集中した。
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椿茜(プロフ) - 名前変換が出来ていないので、確認と訂正の方よろしくお願い致します。 (2021年3月3日 8時) (
レス) id: ffddcc42e3 (このIDを非表示/違反報告)
椿茜(プロフ) - 初めまして。楽しく読ませていただいていたのですが、5月のページのところに出てくる奈々葉でしたっけ？誰ですか？ってなってしまいました。 (2021年3月3日 8時) (レス) id: ffddcc42e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：嶺花 | 作成日時：2021年1月15日 20時
