君日記 ( Ⅲ ) (ページ18)

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紫耀くんは

しゃがんだまま

近くにあった木の棒を手にとって

砂浜に落書きし始める

紫「小学校のときとかさー

　こーやってグランドにお絵描きしてたら

　地球に落書きしないでください！

　って言われなかった？」

「しないよー笑

　私真面目だから、笑」

紫「絶対嘘！

　 A、落書き好きそう」

「失礼ね、笑」

笑いながら、

君は手をとめることはなく、

ただひたすらに

木の棒を操っていた

私も、

真似をしてなにか描こう、、

そうだな、

花火かこうかな、

あのときの紫耀くんみたいに、

そう思って、

おんなじかきかたで、

私は5歳の紫耀くんの真似っこをする

紫「Aもかいてるー！

　俺、あとちょっとでできるー」

「じゃあできたらいうね」

紫耀くんがどんな絵を描いたのか

検討もつかなかった

アイスの絵、とかかな？

それとも、、？

少ししてから、

「できたよ、」

その言葉を合図に

私は紫耀くんの絵を、

紫耀くんは私の絵を、

見始めた。

紫耀くんがかいた絵は、

.....

あの頃と同じ、

確かに、あの夏に、

紫耀くんがかいた、

花火の絵だった

あのときのまんま、

何も変わってはなかった、

君も変わらないままだった

紫「俺の見たでしょ、笑」

「みてないよー」

って笑う余裕はなかった

嬉しさなのか、

寂しさなのか、

複雑な感情がごちゃまぜのせいで、

何がなんだかわからなかった、

紫「この海の花火めっちゃきれいなんだよ、」

知ってるよ、、

でも私は、

君と一緒に見ることは

できないんだ、

好きになればなるほど、

そばにいてほしいと思うほど、

できないことがいっぱい見えてくる、

そんなの、

夏が解決してくれたっていいじゃない、？