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その人は私の真向かいに腰を下ろした。
何を飲むのかわかっているのか、隣の北山さんがその間に注文していて、落ち着く頃にはビールが運ばれてきた。
もう一回乾杯!の声に4つのグラスを合わせる。
北「じゃあ紹介するわ。
俺の向かい側が名前は知ってると思うけど彼女の紗夏。
隣が紗夏の同期のAちゃん。
んで、こいつが薮宏太。俺の高校の同級生。」
薮「紗夏ちゃん、話だけ聞いてるよー。」
紗「何の話ですか!?」
薮「いやー、北山がさぁ、」
北「薮、余計な事言うなよ?」
薮「わかった、わかった。笑」
2人のやりとりを見ているだけで、仲が良いのが伝わってくる。
会社で見る北山さんはどこにもいなくて、終始笑顔で楽しそう。
そんな2人を見ていると、薮さんとふと目が合った。
薮「紗夏ちゃんとAちゃんは仲良いんだ?」
「紗夏とは1番仲良くて。」
紗「そうなんです。恋愛相談もたくさん乗ってもらってました。笑」
薮「俺もねー、すごい相談されてたよ。仲間だね。」
ふにゃりと笑った薮さん。
大ちゃんとはまた違う可愛らしさ。
薮さんと北山さんの仲良しなエピソードを聞いたり、私たちの職場での話をしたり。
最初こそ緊張してたものの、お酒の助けもあってかいつの間にか緊張もなくなっていた。
薮「同じサッカー部で、俺が部長で北山がキャプテンになって。」
北「あの頃はめちゃくちゃ燃てたよなー。毎日朝練やって、部活やって。楽しかったなぁ。」
薮「今もね、高校の奴らとたまにフットサルやってるんだよ。」
「へー!今でも集まれるってなんかいいですね!」
薮「うん、すごい楽しいよ。高校生に戻っちゃう。笑」
北「そうそう。今度のフットサルに紗夏連れてこうと思ってんだよね。」
薮「おー!いいじゃん。Aちゃんも良かったらおいでよ。」
紗「それいい!A一緒に行こうよ!」
紗夏は北山さんの彼女だからおかしくないけど、私なんてほぼ関係ないのに行ったら変じゃないのかな。
薮「俺も、来てくれたら嬉しいな。」
「え?」
優しい笑顔で言われて、一瞬ドキッとした。
そう言ってもらえるなんて思ってなかったし、歓迎してくれるのはやっぱり嬉しい。
「じゃあ、予定が合ったら行きます。」
薮「待ってるね。」
その場の雰囲気で適当になんて感じじゃなくて、しっかり目を見て言ってくれて。
こういうの久しぶりで、なんだか照れちゃった。
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0113skow(プロフ) - 初めまして、ここさんの作品すべて読ませて頂いたのですが、どの作品も本当に素敵です!胸キュンしっぱなしでした!今後もここさんの作品を楽しみに待っておりますね! (2019年6月8日 12時) (レス) id: 490f0bac55 (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - みんごさん» なんて嬉しい言葉!!遅くて本当ごめんなさい(>_<)頑張りますので、パート2もよろしくお願いします♪ (2019年2月2日 20時) (レス) id: 4a8aa9e558 (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - あすかさん» はじめまして!きゅんきゅんして頂けてるのは、私にとって最高の褒め言葉です!更新遅めで申し訳ないですが、引き続き楽しんで下さい♪ (2019年2月2日 20時) (レス) id: 4a8aa9e558 (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - 愛貴さん» わーい!にやにや嬉しいです♪移行後もにやにやしてもらえますように!! (2019年2月2日 20時) (レス) id: 4a8aa9e558 (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - kitchomgunnyariさん» 続きを楽しみして下さって嬉しいです!この先は少しもどかしくなるかもしれませんが。楽しんで頂けたら♪ (2019年2月2日 20時) (レス) id: 4a8aa9e558 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ここ | 作成日時:2018年11月14日 18時