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楓「じゃあ、明日ね。」
「遅刻しないでよ？」
講義が終わり、バイトに向かう楓と別れた。
歩いていると正面から知ってる顔がこちらに向かってくる。
私に気付くと手を上げた。
藤「Aちゃん！」
「また教授のとこ？」
藤「今行ってきてね。雑用してきた。」
太輔くんと会うのは2人で飲みに行ったあの日以来。
別にハッキリと気持ちを伝えられたわけじゃないし。
当の本人は何事もなかったかのように接してくれてる。
それなら私も、って思ってた矢先。
藤「丁度Aちゃんの事考えてた。そろそろ会いたいなって。」
「そう、なんだ。」
藤「どう？少しは俺の事考えてくれてる？」
「その事なんだけど。私、」
藤「ここじゃなんだから、場所変えよっか。」
時間が空いている生徒は暇を持て余している。
勉強している人もいれば、友達と談笑している人も。
あちらこちらにたくさんの生徒がいる中を、太輔くんの後ろを着いて歩いていく。
辿り着いた場所は誰もいない大教室。
藤「ごめん。なんとなく、あそこで話すのはなって。」
「うん。そうだよね。」
藤「それで……………、どうかな。だめならだめでいいから。Aちゃんの気持ちが知りたい。」
静かな教室に太輔くんの声が響く。
きちんと言わなきゃいけない。
「ごめんなさいっ。」
藤「うん、」
「どうしても、彼が好きで。他の人は考えられない。」
藤「そっか。…………わかってたんだけどさ。ほんの少しの期待に掛けてみたかったんだ。」
「ごめんね。」
藤「上手くいくといいね、チャラ男くんと。」
「うん、」
藤「卒業まで大学来る事もあんまりないから、今まで通り普通にしてくれたら嬉しい。俺も今まで通り声掛けていいかな？」
「もちろん。」
藤「チャラ男くんにでも泣かされたら、何でも言いに来てよ。」
優しくて、紳士的で。
私なんかにはもったいないくらい良い人。
だから太輔くんには、もっと素敵な女性がいるはず。
藤「……………じゃあ、ありがとね。店は違うけどバイト仲間として、よろしく。」
先に教室から出て行った太輔くん。
人に好かれるってとても貴重な事だし、幸せな事。
だけど気持ちに応えられなくてフラなきゃいけないのって、やっぱり胸が苦しくなるね。
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びあ(プロフ) - 大ちゃんのお話で1番好きです。ほんとにキュンキュンして胸が苦しくなってほっこりして、とても素敵なお話でした。お疲れ様でした。 (2020年8月27日 21時) (
レス) id: d37a0a2ac7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - 更新、そして完結おめでとうございます！とてもいい話でした。次の作品も自分のペースで頑張ってください！次の作品も必ず読みます。お疲れ様でした。 (2020年5月9日 23時) (レス) id: 4ae9612484 (このIDを非表示/違反報告)
yuyuna(プロフ) - 完結おめでとうございます！ここさんのお話大好きなので、次回作楽しみにしてます！ (2020年5月9日 22時) (レス) id: 32bafa01fb (このIDを非表示/違反報告)
＊ 白 雪(プロフ) - 完結おめでとうございます！！言葉で表せないくらい最高でした（ ; ; ）キュンキュンが止まりませんでした… (2020年5月9日 20時) (レス) id: 63aa7c8cbf (このIDを非表示/違反報告)
もな(プロフ) - 最高のお話ありがとうございました！更新楽しみにしていたのですが、終わってしまうとなると少し寂しいです...。また次回作も楽しみにしています！これからもここさんのペースで頑張ってください！ (2020年5月9日 18時) (レス) id: 2da783b6ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ここ
| 作成日時：2020年3月12日 20時
