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風呂から上がると、カーペットを敷いてあるところに座って、本を読んでいる翔子が居て。
ドアを開ける音に気づいたのか、
ぱっと本から視線をこちらに移しては俺を見た。
「おかえり、智くん。」
ふわり、優しい笑顔で言ってくれる可愛さが凄まじくて。俺の心を直球に貫いてくる。
「ただいま。本読んでたの？」
できるだけ平然を装って、怪しまれないように。
「うん。今ね、読んでる小説があって。」
「ふーん、眠くならないの？」
「なるよ、でもどっちで寝たらいいかわかんなくて。」
えへへ、なんて効果音がつきそうに
照れくさそうに笑う彼女にまた胸が音を立てる。
「あ、そうだ、言ってなかったね！翔子は俺のベッドで寝ていいよ。遠慮なくどうぞ。」
「え、いいよいいよ。悪いでしょ、」
「翔子は上で寝なよ、だって怖いでしょ、下だと。」
「怖くないよ、大丈夫！」
「ほんとに？」
「うん。」
一点張りに大丈夫だと言い張る翔子を
からかってやろうと、一言。
「あとで怖いって泣きついてきても知らないからね。
ベッドの下は危ないっていうよ？」
そう言うと、すぐさま顔色を変えて
「やっぱやだ、ベッドで寝ていい…？」
甘えたように見つめて、聞かれると
下からせり上がってくる高揚感に包まれる。
「、俺の布団でも大丈夫？」
「… 智くんが構わないなら。」
いつだって翔子は俺を肯定してくれて
智くんがいいなら、って言うんだ。
それがわかっていて勧める俺に
誰かが気づいたら、狡いと言われるだろうな。
・
「あ、そうだ。智くん髪乾かしてあげるね。」
「え、いいの？」
「うん、いつも乾かしてるの？」
「や、乾かしてねぇな。」
「だから、あんな寝癖がつくんだよ。
ひよこの巣みたいなのが。」
「ひよこの巣、って。」
表し方が独特で笑ってしまうのは、無意識で。
翔子といると何気ないことさえも
楽しくなってしまう。
「じゃあ、乾かしまーす。」
「お願いしまーす。」
櫛とドライヤーを持って、鏡の前に立つと
椅子に座るように促された。
「ふふ、なんだか美容師さんみたい。」
「だね。」
俺の後ろに立った翔子は無邪気に笑って
前に向き直し、鏡の中で俺と目を合わせると
再び、笑みを浮かばせた。
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もふ(プロフ) - 花咲*さん» ありがとうございます！翔子ちゃんとしほちゃん、お互いに羨ましくて勝てないと思っているところもミソで。そうさせる智くんがどう動くかで決まる未来。これからの恋の行方を、一緒に見守っていただけたら嬉しく思います。どうぞよろしくお願いします。 (2020年4月28日 0時) (
レス) id: 7f28c40749 (このIDを非表示/違反報告)
もふ(プロフ) - きよさん» ありがとうございます！これから揺れ動くそれぞれの心が形となっていきます。先に伝えた斗真とまだ素直になれない智くん。翔子ちゃんを幸せにできるのはどちらなのか。今後の展開を楽しみにしていただけたら、嬉しいです。どうぞよろしくお願いします。 (2020年4月28日 0時) (レス) id: 7f28c40749 (このIDを非表示/違反報告)
花咲*(プロフ) - もふさん。更新ありがとございます。少しづつ動き出しましたね。可愛い翔子ちゃん早く幸せになってもらいたい。しほちゃんもなんだかかわいそう…智くんちゃんと自分の気持ちに素直になってもらいたい。 (2020年4月26日 10時) (レス) id: 7a9a23c4d1 (このIDを非表示/違反報告)
きよ(プロフ) - もふさん、更新ありがとうございます。斗真くん告白できたんですね。切ないけれど言えてよかった。やっぱり問題は智くんですよね。しほちゃんの為にも素直に勇気をだしてもらいたいです。続きを楽しみにしています。 (2020年4月25日 8時) (レス) id: e294ac0748 (このIDを非表示/違反報告)
もふ(プロフ) - きよさん» ありがとうございます！あんなに甘い言葉を送ったはずなのに、まだ幼馴染の壁を乗り越えられない智くん。もう、我慢も限界に近いはず。さてこれから、文化祭でどうなっていくのか、メイドの翔子ちゃんに幸あれ。で頑張っていきたいと思います！私自身もドキドキです笑 (2020年3月10日 23時) (レス) id: 7f28c40749 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もふ
| 作成日時：2018年9月15日 13時
